著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

半端なCS進出より喜ばしい 阪神エースと4番の若虎成長物語

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 なんだかんだ言っても、この男が活躍すれば虎党の私としては望外の喜びだ。9月29日の対中日戦で2年ぶりの完封勝利を挙げた藤浪晋太郎。たった一度の快投で浮かれるのは気が早いと自戒しつつも、藤浪に関してはその潜在能力に疑いがないわけだから、たった一度の快投が大復活、大覚醒につながるのではないかと期待してしまう。

 結局、藤浪のような暴れ馬のビッグマシンは四の五の言わずに放っておくのが一番なのかもしれない。その圧倒的なパワーは歯車ががっちり噛み合いさえすれば驚異的なパフォーマンスを発揮する。制球難による球数の多さも、往年の野茂英雄みたいなものだと考えれば過剰に意識しなくてもいいのだろう。近鉄時代の野茂なんて、毎回の16四球を与えながら完投勝利を挙げたことがあるくらいだ。藤浪もちまちま考えずに、そんな世界のNOMOのような破格の制球難と球数過多を目指してはどうか。いつかの故障は確かに心配だけど、それを恐れすぎて今の若さという貴重な時間を失うことも怖い。

■“ワンナイトラブ”はどうでもいい

 また、冒頭の中日戦ではそんな藤浪の完封以外にもうれしい出来事があった。このところ絶好調の2年目・大山悠輔(藤浪と同級生)が今季初めて4番に座り、4打数4安打の固め打ち。今季ここまでの大山は前半戦のスランプが響いて規定打席には達していないものの、いつの間にか本塁打数は2桁を超え、打率も2割8分台と、すべての項目において昨年を上回っており、確かな成長を感じさせてくれる。もちろん、昨年20本塁打を放った8年目の中谷将大が今季は伸び悩んでいるのを見ると、大山も楽観視できないのだが……。

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