星野・野村の薫陶受け…矢野燿大「虎指揮官」までの凸凹道

公開日: 更新日:

 この阪神移籍が、結果的に野球人生の分岐点になった。野村克也監督との「邂逅」だ。矢野監督は常に「野村監督に教わったことが財産になっている」と言っている。野村監督は「野球バカになるな」と教えた。引退後も本を読み漁り、野球理論や心理学も勉強したという。今年、二軍監督として「超積極性」を掲げたときも、「そのためには準備が必要」と選手に説いた。野村の考えを生かしているのだ。

「野村さんが来た当初は、ベンチで全員に聞こえるように大声で若い投手をなじることもあった。その当時はまだ、捕手目線で、打たれるのは投手が悪い、という態度に見えた。でも徐々に変化していった。ベンチで矢野は、野村さんがブツブツ言う言葉に常に聞き耳を立てていた。野村さんが『(一塁走者が)走るぞ』と言うと、本当に盗塁を仕掛けてくる。野村さんによって捕手としての感性や観察力を磨いた。野村さんからいろんなことを学ぼうとしていた選手は、矢野と桧山くらい。大半の選手はミーティングで渡された『ノムラの考え』のテキストも読まないし、面倒な人や、とほとんど聞く耳を持たなかったからね」(前出のOB)

 そんな矢野監督であるが、必ずしも野村監督に好かれていたわけではなかった。別のOBが言う。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    参政党が消せない“黒歴史”…党員がコメ農家の敵「ジャンボタニシ」拡散、農水省と自治体に一喝された過去

  2. 2

    極めて由々しき事案に心が痛い…メーカーとの契約にも“アスリートファースト”必要です

  3. 3

    遠野なぎこさんを追い詰めたSNSと芸能界、そして社会の冷酷無比な仕打ち…悲惨な“窮状証言”が続々

  4. 4

    ドジャース大谷翔平がついに“不調”を吐露…疲労のせい?4度目の登板で見えた進化と課題

  5. 5

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  1. 6

    清水賢治社長のセクハラ疑惑で掘り起こされるフジテレビの闇…「今日からシリケン」と“お触り続行”の過去

  2. 7

    カブス鈴木誠也「夏の強さ」を育んだ『巨人の星』さながら実父の仰天スパルタ野球教育

  3. 8

    千葉を「戦国」たらしめる“超過密日程”は今年の我が専大松戸に追い風になる手応えを感じています

  4. 9

    趣里はバレエ留学後に旧大検に合格 役者志望が多い明治学院大文学部芸術学科に進学

  5. 10

    参政党が参院選で急伸の不気味…首都圏選挙区で自公国が「当選圏外」にはじかれる大異変