“万年V候補”東海大を箱根初優勝に導いた両角監督の参謀力

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「先生方と密にやりとりを」

 また、寮の二軍制も実施し、チーム内の競争意識をあおった。駅伝部は全寮制で、3つの寮で生活する。第2と第3にあまり区別はなく、第1に属する一軍寮のうち13人は1人部屋。それ以外は2人部屋だ。

「1人部屋は強い選手が入ります。約3カ月間の総合成績に応じて、年に3回ほど部屋替えがあります」(西出コーチ)

 スポーツの名門である東海大も早稲田や青学に比べると大学のブランド力は劣る。だが、3年生には全国高校駅伝のエースがズラリ。どんな選手集めをしているのか。両角監督に聞くと、こう言った。

「いい選手は競合するのでなかなか取れないですよ。ただ、(佐久長聖)高校のとき一緒にやっていた先生方のご好意で東海大に送り出していただくこともある。先生方と密にやりとりして、僕が行って話をします。トラック(練習)をしっかりやれるというところをアピールします」

 有力選手には学費の免除、合宿費の援助、スポンサーからの物品提供がある。大学の研究所が開発する低酸素テントや低圧室といった施設が充実しているのもウリだ。

 今回の初Vで名を上げた東海大。来年は、駅伝志望者の行列ができるか。

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