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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

“大本命”青学大に挑む 東洋・駒沢の意地と拓大の飛脚走り

公開日: 更新日:

 正月の茶の間を賑わす箱根駅伝は、今度が第95回の記念大会。例年より多い23チームが初春の国道1号を駆ける。どこに行っても青学大が鉄板の優勝候補――悔しいではないか、そんなのつまらないではないか。

 確かに、青学大は10月の出雲駅伝、11月の全日本大学駅伝を制し、箱根駅伝の5連覇を2度目の大学駅伝3冠で飾りそうな勢いで、2度目の3冠なら史上初である。前回大会の優勝メンバーが7人いて、梶谷瑠哉、森田歩希、小野田勇次は一昨年からの優勝経験者。出雲の1区区間賞の橋詰大慧、インカレで活躍した吉田祐也、吉田圭太が加わって非の打ちどころはなく、もはや展開の綾しか打開の道はなさそう。

 解説者の碓井哲雄さんは、1区に山梨学院大、日大、拓大、東京国際大、国士舘大がアフリカ留学生を並べ、学連選抜の東大生、近藤秀一も一緒に飛び出すという撹乱戦法をたきつけるが、実際問題として、シード権の欲しいチームにそこまで勝負に出る度胸は期待薄だ。こんなトホホな状況にあえてストーリーをほじくり出すべく、3つのパターンを考えた。

【東洋大の意地】大学生の最終目標は箱根駅伝か。東洋大の酒井俊幸監督は常に箱根の先を学生に説く。2月の東京マラソンで日本記録を16年ぶりに更新した設楽悠太も、福岡国際マラソンで14年ぶりに日本人優勝を遂げた服部勇馬も東洋大OB。前回リオデジャネイロオリンピックのマラソン代表の北島寿典、石川末広も東洋大OBだった。で、東京大会のマラソン代表選考会、MGCファイナル出場選手にいまのところ青学大OBは一人もいない。ゴールをずらせば、既に東洋大は青学大に勝っている。

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