山田隆道
著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

矢野阪神に“ドーピング的”好順位では課題解決にはならない

公開日: 更新日:

 なにしろ、昨年は最下位のチームなのだ。関西メディアはやれ優勝だとか、そういう昔ながらのテンプレ的な怪気炎をあげるかもしれないが、現実はすぐに優勝できるようなチーム力ではないだろう。たとえ西勇輝やガルシアといった外様の新戦力が爆発的に機能して今季の優勝争いに食い込んだとしても、それはドーピングみたいなものであって、抜本的な課題解決にはならない。かつて福留孝介糸井嘉男を獲得したときもそうだったが、彼らが活躍できるうちに新しい投打の屋台骨を誕生させる、その本質はブレないでほしい。

阪神選手の選出ゼロという現実

 昨年末、テレビ朝日系で放送された「中居正広のプロ野球魂」という番組の中で、「俺の侍ジャパン」という企画が実施されていた。これは石川雅規、内川聖一秋山翔吾の現役3選手に中居正広を加えた4人が、それぞれ理想とする架空の侍ジャパンを形成すべく、ドラフト形式で現役選手を指名していくという試みだが、これにおいて阪神の選手だけが一人も指名されなかった。


 1チームにつき野手9人と投手1人の計10人、それが4チームも誕生した(計40人も指名された)にもかかわらず、である。もちろん、他の11球団からは最低1人は選出されており、昨年、パ・リーグ最下位の楽天からも浅村栄斗岸孝之茂木栄五郎、田中和基、銀次の5人が指名されていた。

 私が今の阪神に突きつけたいのは、この現実である。ドーピング的に成し得た好順位よりも、虎の柳田悠岐筒香嘉智鈴木誠也が見たいのだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    西武フロントの致命的欠陥…功労者の引き留めベタ、補強すら空振り連発の悲惨

    西武フロントの致命的欠陥…功労者の引き留めベタ、補強すら空振り連発の悲惨

  2. 2
    西武の単独最下位は誰のせい? 若手野手の惨状に「松井監督は二軍で誰を育てた?」の痛烈批判

    西武の単独最下位は誰のせい? 若手野手の惨状に「松井監督は二軍で誰を育てた?」の痛烈批判

  3. 3
    巨人・小林誠司の先制決勝適時打を生んだ「死に物狂い」なLINE自撮り動画

    巨人・小林誠司の先制決勝適時打を生んだ「死に物狂い」なLINE自撮り動画

  4. 4
    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

  5. 5
    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

  1. 6
    日本ハムは過去2年より期待できそう 新外国人レイエスが見せつけた恐るべきパワー

    日本ハムは過去2年より期待できそう 新外国人レイエスが見せつけた恐るべきパワー

  2. 7
    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産まれてきた

    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産まれてきた

  3. 8
    【中日編】立浪監督が「秘密兵器」に挙げた意外な名前

    【中日編】立浪監督が「秘密兵器」に挙げた意外な名前

  4. 9
    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

  5. 10
    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗