反町康治さん<3>誕生日に誘われ銀座のクラブでドンペリを

公開日: 更新日:

 羽田空港にある乗務管理課で働くのは午前中だけで、午後からはサッカーが仕事だった。正午になると周囲に「行ってきま~す」と挨拶し、サッカー部員4~5人と一緒に練習場まで車で移動した。当時、全日空サッカークラブは日本リーグの2部で、自前のグラウンドも持っていなかった。練習場はその日暮らし。決して恵まれた環境ではなかったが、反町さんが入部した年に1部に昇格。それから93年発足のJリーグ加盟へとつながっていく。

「我々が半ドンで上がることに対して、最初は部署内でも“何だ?”というふうに受け止められていたと思います。ただ、そのうち興味を持ってくれるようになり、応援もしていただいた。疎外感はなかったです。それに僕は会社にお願いして、YS11のコーパイ(副操縦士)の月間スケジュールを作らせてもらっていた。半日しかやれないじゃないかと言われましたが、やらせてくださいと。だから、練習が終わったあとも会社に帰って仕事をしていたんです。横浜で練習があれば、横浜駅のそごうのところからバスに乗って羽田空港まで戻る、という具合。会社は一人前の社員だと見てくれていました」

 サッカーを続けられるのは30歳ぐらいまで、その先は一社員として働くことになる。通常の業務もきっちりこなしておかなければ苦労する――。反町さんは、常にサラリーマンとしての未来を頭に描いていた。上司や先輩のメシや酒の誘いにも二つ返事で付き合った。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  2. 2

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 5

    広島・大瀬良は仰天「教えていいって言ってない!」…巨人・戸郷との“球種交換”まさかの顛末

  1. 6

    広島新井監督を悩ます小園海斗のジレンマ…打撃がいいから外せない。でも守るところがない

  2. 7

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 8

    令和ロマンくるまは契約解除、ダウンタウンは配信開始…吉本興業の“二枚舌”に批判殺到

  4. 9

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  5. 10

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か