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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

サーシャ解任知らなかった日本協会は今や“大坂テニス協会”

公開日: 更新日:

 大坂なおみのコーチ問題は、いまだくすぶったままだ。そもそも、グランドスラム連続優勝に導いたコーチ、サーシャ・バインの解任理由が判然としない。「幸福を選ぶのよ」と言われたら、(そうだな)としか言葉はない。

 飛び交うのは臆測だけだが、首相官邸は知っていたというのが私の妄想である。

 昨年の全米オープン優勝から国民栄誉賞授与の人気取りがちらつき、連続優勝で本格調査に入った。その時点で情報は入手しただろう。これだけの長期政権が知らなかったとは考えられない。ところで、創立97年の伝統を誇る日本テニス協会はまったく知らなかったのだ。

 二重国籍問題が話題に上るたび、日本協会は御用新聞を使って〈日本人〉をアピールしてきた。メジャー大会になれば土橋登志久強化本部長、吉川真司女子ナショナルコーチが帯同し、練習に付き合い、家族席の後ろで応援する……ここで時系列を整理したい。

 全豪オープン女子決勝は1月26日。土橋本部長は中国・広州に渡ってデ杯のファイナルズ予選に合流。2月3日に辛勝して胸をなで下ろして帰国すると北九州市の女子国別対抗戦フェド杯に合流。大坂なおみを欠いた日本がトップ2不在のスペインに敗戦したのが10日。12日にサーシャ解任のツイートが出て、14日のインスタグラムに大会地のドバイでの集合写真がアップされる。サーシャの姿はなく、いつも通り吉川コーチは写っていた。

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