著者のコラム一覧
帖佐寛章日本陸連顧問

1930年6月、東京都生まれ。東京教育大(現・筑波大)で日本選手権800メートル、1500メートル優勝。箱根駅伝出場。引退後は順天堂大陸上部監督として箱根駅伝優勝。数々のトップアスリートを育てた。五輪監督、日本選手団副団長、神戸ユニバーシアード日本選手団長、日本陸上競技連盟強化委員長、専務理事、副会長をはじめ、日本体育協会副会長、国民体育大会委員長、国際マラソン・ロードレース協会会長などを歴任。現在は日本陸連顧問、順大スポーツ健康科学部名誉教授。

私が阻止したトレードマネー1億円 宗兄弟のダイエー移籍

公開日: 更新日:

「1億だよ」

 総合スーパーのダイエーは当時、飛ぶ鳥を落とす勢い。1980年には小売業で初めて年間売上高1兆円を突破。その後はプロ野球の「南海ホークス」を買収するなど、スポーツ界にも進出した。陸上部の発足は83年。その前から選手を集めていたようだ。

 真意を確かめるため兄の茂と別府駅西口側にあるホテルの喫茶店で会った。彼の言い分はこうだ。

 陸上部員は現役引退後、閑職に回される。廣島監督の叔父さんで、ローマ五輪代表の廣島庫夫氏は引退後、女子工員の勧誘をやっていたという。25歳の彼は、現役を続けても恐らくあと10年だろう。「何のために走ってきたのか」という無念さと、引退後は能力を生かしてくれないことがわかっている会社に不満が募っていたのだ。

「モントリオールが終わって2年。あと2年でモスクワだ。時期が悪いぞ」

「……」

「正直に言ってくれ、カネが動いているね」

「……」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋