帖佐寛章
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帖佐寛章日本陸連顧問

1930年6月、東京都生まれ。東京教育大(現・筑波大)で日本選手権800メートル、1500メートル優勝。箱根駅伝出場。引退後は順天堂大陸上部監督として箱根駅伝優勝。数々のトップアスリートを育てた。五輪監督、日本選手団副団長、神戸ユニバーシアード日本選手団長、日本陸上競技連盟強化委員長、専務理事、副会長をはじめ、日本体育協会副会長、国民体育大会委員長、国際マラソン・ロードレース協会会長などを歴任。現在は日本陸連顧問、順大スポーツ健康科学部名誉教授。

私が阻止したトレードマネー1億円 宗兄弟のダイエー移籍

公開日: 更新日:

「それがいくらか、どこの会社かも知っているんだ」

「……」

「言い分はわかったが、金をもらって移籍したら陸上界から抹殺だよ。それは覚悟してくれ」

 宗兄弟は「商品価値」の高い時に移籍し、引退後は移籍金で郷里に運動具店を開業する構想を持っていた。同時に、子供たちにランニングを教えるためのクラブをつくり、そして長距離選手の育成をしたいとも言った。

「それは素晴らしいことだが、今の世の中、アマチュアが金をもらうことは許されない。おまえたちが会社に残るための条件を聞かせてくれ。私が会社と話をする。結果次第では残るか?」

「帖佐さんに一任します」

 旭化成の陸上部長は当時、亀井郁夫氏(後に参院議員)。亀井静香元衆院議員の兄だ。亀井部長と大串監督に事情を説明し、担当者に次の2点を要求した。

①宗兄弟の実績に対し功労金を出す。

②2人が競技生活を退いた後も学歴差別をせず、職を与えることを約束する。

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