著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

大谷の同僚も…メジャーで多くの現役選手が他界する背景

公開日: 更新日:

 トム・ガステール(1956年)、サーマン・マンソン(1979年)、コリー・ライドル(2006年)らは、いずれも自らの操縦する小型自家用機が建物や森との衝突事故で落命したのは、まさに趣味がもたらした悲劇であった。

 2003年には、痩身作用があるとされるエフェドラ含有の栄養補助食品を常用していたスティーブ・ベックラー(オリオールズ)が過剰摂取により死亡している。

■ゼリービーンズのように

 当時は大リーグにおける不正薬物の使用問題、いわゆる「バルコ・スキャンダル」が発覚する直前であった。クラブハウスには各種のサプリメントが用意され、選手がゼリービーンズのようにサプリメントをわしづかみし、ソーダ水で飲み下す光景も日常的だった。「ドーピングといっても形式的なもの。罰はないから問題はない」といった大リーグの雰囲気がベックラーの死の背景のひとつをなしていた。

 その後、米国食品医薬品局(FDA)がエフェドラを含有するサプリメントの摂取を控えるよう警告を発するなど、ベックラーの死は社会的にも影響を与える出来事となった。「薬物汚染」が表面化し、大リーグは「不正薬物禁止」への方向転換を余儀なくされることになる。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  2. 2

    国民民主党の支持率ダダ下がりが止まらない…ついに野党第4党に転落、共産党にも抜かれそうな気配

  3. 3

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  4. 4

    来秋ドラ1候補の高校BIG3は「全員直メジャー」の可能性…日本プロ野球経由は“遠回り”の認識広がる

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  3. 8

    脆弱株価、利上げ報道で急落…これが高市経済無策への市場の反応だ

  4. 9

    「東京電力HD」はいまこそ仕掛けのタイミング 無配でも成長力が期待できる

  5. 10

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー