著者のコラム一覧
元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

「Jや代表で実績」の前提崩れ…変化した海外移籍の価値観

公開日: 更新日:

「できるだけ早い段階で海外へ行きたい」。そう断言する20歳前後の若手が後を絶たない。法政大サッカー部を退部して7月末に鹿島入りした上田綺世を筆頭に6~7月のコパ・アメリカ(ブラジル)参戦組の大半からそういうコメントを耳にした。「久保建英レアル・マドリード安部裕葵がバルセロナに行って『キャプテン翼』で描かれていた世界が現実になった。彼らの海外志向が強まるのも理解できる」と欧州10年目の川島永嗣(ストラスブール)もしみじみと語る。選手側の価値観が「Jリーグでの成功」「代表入り」を超えて「海外行き」に変化しているのは間違いない。

 ◇  ◇  ◇

 2000年代までは「海外へ行きたいならJやA代表で実績を残すことが大前提」という考え方が一般的だった。中村俊輔松井大輔(ともに横浜FC)はその代表格。08年1月にVVVフェンロに移籍した本田圭佑にしても、オシムジャパン時代の07年に招集歴があった。「日本代表になって初めて海外に出られる」という意識が根強かったのだ。

 しかし、10年代になると移籍の低年齢化が一気に進む。FIFA代理人制度が変わった15年あたりからは、奥川雅也(ザルツブルク)のようにプロ1年目で青田買いされる者が出始め、17年にはA代表招集歴のない鎌田大地(フランクフルト)、18年には知名度の低い西村拓真(CSKA)らが続々と外に出た。今夏は、現時点で12人がJから欧州へ行ったが、A代表未経験の小池龍太(ロケレン)や菅原由勢(AZ)、中村敬斗(トゥエンテ)、食野亮太郎(マンチェスターC)も海を渡った。欧州で傑出した実績を残しながら「30代」という年齢が響いてスペイン2部行きを強いられた岡崎慎司(マラガ)や香川真司(サラゴサ)がうらやむような状況で、本当に「誰もが欧州」という機運になっている。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • サッカーのアクセスランキング

  1. 1

    森保監督の「1年続投案」は消去法か…日本サッカー協会31億円赤字でクビが回らぬ懐事情

  2. 2

    パリ五輪組ゼロの異常…若手の突き上げなき森保J、久保建英も認めた“進まぬ新陳代謝”

  3. 3

    「過去最強」「欧州組23人」のマヤカシ…欧州ビッグクラブ“主力ゼロ”で圧倒的に足りない個の実力

  4. 4

    本田圭佑「代表監督やりたい!」に辛辣な声…ライト層にウケても“現実的にあり得ない”

  5. 5

    森保監督は“海外流出”、佐野海舟・鈴木彩艶・上田綺世はビッグクラブ移籍か…W杯32強敗退でもバラ色の人生が

  1. 6

    森保Jの悲劇的敗戦を分析…本気のブラジルに「コマ不足」「勝てるチャンスなし」「延長なら複数失点」

  2. 7

    「塩貝発言」は日本の顔に泥…ブラジル戦は残念だらけ、決勝Tで勝てない理由もうかがえた

  3. 8

    サッカー日本代表「ポステコグルー招聘」失敗の痛手…サウジ金満クラブの年俸20億円提示にJFA惨敗

  4. 9

    日本のブラジル戦は応援できない!負けたらブラジルサッカーが崩壊、それだけは絶対避けなきゃいけない

  5. 10

    トランプ大統領が米国代表の「出場停止」を捻じ曲げた?FIFA会長と“一心同体”のバカらしさ

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐藤二朗vs橋本愛騒動が直撃! フジドラマ“出たくない俳優”&“見たくない視聴者”の二重苦

  2. 2

    趣里が7月期テレ朝ドラマで出産後初主演 続く水谷家との「蜜月」で三山凌輝にも復活説

  3. 3

    萩本欽一〈24〉相方の坂上二郎さんとは「遊ばない・食事しない・夢を語らない」を徹底した事情

  4. 4

    巨人エース戸郷翔征の不振を招いた“真犯人”の実名…評論家のOB元投手コーチがバッサリ

  5. 5

    “キムタク効果”見込んだ吉野家の戦略は残念な結果に…ファンの間に沸き起こる「藤田ニコル復帰待望論」

  1. 6

    佐藤二朗騒動の余波!「福田組」の長澤まさみへの“ハラスメント”舞台挨拶の悪ノリ動画が再注目…女性視聴者は嫌悪

  2. 7

    ソフトバンク「佐々木麟太郎シフト」着々…同ポジションの中村晃引退、山川穂高二軍塩漬けが伏線

  3. 8

    「夫婦別姓刑事」とフジテレビの時代錯誤…“看板に偽りあり”のタイトルと「超・年の差婚」設定への嫌悪感

  4. 9

    萩本欽一〈25〉「車椅子でも絶対に明治座に出す」脳梗塞で左半身麻痺の坂上二郎さんを奮い立たせたひと言

  5. 10

    維新また猿芝居…国会空転トップ会談で定数削減法案に“白旗”も「今時点で取り下げない」と強がるワケ