男子ゴルフツアーでクーデター 大量41人が青木体制に“NO”

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選手たちの供出金を3人の理事が吸い取る構図

 ゴルフ評論家の宮崎紘一氏がこう解説する。

「3理事のあまりのデタラメぶりにツアープロが立ち上がったのです。そもそもの発端は昨年3月に定款を変えてボランティアだった理事に新たに役員報酬が支払われるようになったからです。上田理事1000万円、宇治理事360万円、村田理事360万円とカネを配るようになった。上田理事はアメックス出身、宇治理事はIMG、村田理事は青木功ゴルフ企画社員といずれも青木会長と古くからの知り合いであり身内同然です。3人とも会長自身がJGTOに招聘した経緯があった。つまりシンパで固めた執行部にツアープロが“NO”を突き付けるわけです」

 ツアープロはトップオフ制度があり、賞金の3%をJGTO運営のために供出している。例えば優勝賞金1億円なら消費税分の10%を上乗せした1億1000万円の3%を納める。今季男子ツアーの賞金総額は32億6060万円であり、消費税分を上乗せした3%だと約1億760万円になる。つまり選手が稼いだ賞金から「機能していない」3理事がカネを吸い取っている構図なのだ。

「報酬だけでなくカネの使い方もおかしい。上田理事は男子ツアーの人気回復を目指して4500万円の資金を投じ、“イケメンプロジェクト”を立ち上げたが、見事に失敗。すると“無策より愚策のほうがマシ”と開き直って何ら責任を取っていない」(前出の宮崎氏)

 宇治理事は選手の映像利権をビジネス化して、サーバー管理は自身がよく知る会社に委託して年4500万円を使い、ツアープロを撮影する会社には年2000万円(経費別途・4年契約)が支払われている。また村田理事はツアー会場が未定で混乱を招いたトップ選手権の不手際が指摘されている。

「村田理事はそもそも青木企画の社員であり、給料をJGTOに肩代わりさせたのではないかという疑惑も出ています」(前出の宮崎氏)

 サーバー管理費4500万円に関しては、管理会社がJGTOオフィシャルスポンサーになって4500万円がそっくりJGTOに戻っているという根も葉もないウワサも広まっている。だから青木会長が「サーバー管理費は実質タダなんだよ」と周囲に得意満面に語っているようだが、トップが内情をまったく理解していないこともよくわかる。

 嘆願書は社員総会前に青木会長に届けられるが、3理事は会長の腹心で、ツアープロの要求通りに解任されたら青木会長はさらに機能不全に陥ってしまうはずだ。

 社員資格を持つツアープロは205人になり、すでに時松選手会長の手元には尾崎将司、直道兄弟から委任状が届いている。そして選手会は現執行部が用意する理事リストを否決し、解任要求する3理事の代わりに新たな理事リストを用意して社員総会に臨むという。

 低迷する男子ゴルフを立て直したい、このままではダメだ、と多くのツアープロが立ち上がったわけであり、JGTO新体制の行方が見ものだ。

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