バッハ会長「緊急事態宣言と五輪は無関係」発言の狡猾さ

公開日: 更新日:

 関係ないわけがないだろう。

 25日から東京、京都、大阪、兵庫の4都府県に発出されることになった緊急事態宣言。新型コロナウイルスの新規感染者は減るどころか増える一方とあり、開催まで3カ月足らずに迫った東京五輪の中止を求める声も日増しに高まっている。

 IOCのバッハ会長はしかし、21日の記者会見で「(緊急事態宣言は)五輪とは関係ない。日本政府がゴールデンウイーク中の感染拡大を防ぐためだと認識している」と、言い放ったのだ。

 あまりに無責任極まりない発言に世論は反発。五輪に詳しいスポーツジャーナリストの谷口源太郎氏は「日本側は完全に足元を見られている」と、こう続ける。

「今の政府、組織委員会の動きを見る限り、原則開催ありき。『五輪をするかしないか』ではなく、『どうすれば五輪が開催できるか』しか頭にないのがわかります。バッハ会長もそれをわかっているから言いたい放題言えるのでしょう。世界中がパンデミックにさらされている今、人道的に考えればIOCが率先して中止を口にすべきです。しかし、そうすると中止になった場合の損失の大部分をIOCが背負うことになる。バッハ会長の頭にあるのは『いかにIOCが責任を回避できるか』だけではないか」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志氏はパチプロ時代の正義感どこへ…兵庫県知事選を巡る公選法違反疑惑で“キワモノ”扱い

  2. 2

    タラレバ吉高の髪型人気で…“永野ヘア女子”急増の珍現象

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  5. 5

    《#兵庫県恥ずかしい》斎藤元彦知事を巡り地方議員らが出しゃばり…本人不在の"暴走"に県民うんざり

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    大量にスタッフ辞め…長渕剛「10万人富士山ライブ」の後始末

  5. 10

    立花孝志氏の立件あるか?兵庫県知事選での斎藤元彦氏応援は「公選法違反の恐れアリ」と総務相答弁