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釜本邦茂元日本サッカー協会副会長

1944年4月15日生まれ。京都市出身。早稲田大2年で日本代表入り。64年東京五輪に続いて出場した68年メキシコ五輪で得点王を獲得。銅メダル獲得の原動力となった。日本代表Aマッチ76試合75得点(B、Cマッチを含めると231試合153得点)。Jリーグ発足後はG大阪初代監督。98年に日本サッカー協会副会長。95年から参議院議員を務めた。

【サッカー】3位決定戦メキシコ戦は「メダリストになる!」という強い気持ちで

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 これが何とも悩ましかった。先輩がサッカー部の練習場、合宿所、試合会場、納会などに陣中見舞いと称してやって来ては「オレたちはベルリンで死に物狂いで走り回った」「オマエたちも日本代表に入って死ぬ気で戦え」「いつになったらベルリンの奇跡を超えるつもりか」などと叱咤激励を繰り返すのである。

 毎度のことなので諸先輩に対して大変失礼と思いながら、少しだけウンザリした気持ちになったことを告白しよう。

 メキシコ五輪で銅メダルを獲得すると諸先輩の叱咤激励はピタッと止んだ。それ以降、代表の後輩が「メキシコ五輪銅メダル組」からアレコレ言われる番になった。

 メキシコ五輪から53年もの月日が流れた。これまで「もう~えぇ加減にメキシコ五輪銅メダルを超えてもらいたい」とずっと思っていた。本当はスペインを下して決勝に進み、できることなら金メダルを取って欲しかった。残念ながら銅メダルの可能性しかなくなったが、それでも五輪3位というのは大したもんや。

 個人的には、後輩たちに「メキシコ五輪で俺たちは……」とプレッシャーを掛けた記憶は(ほとんど)ないが、もう昔話をしないで済むようにメキシコを倒し、銅メダルを獲得してもらいたい。

 ホスト国の代表チームとして「メダル確保」の重圧は、そりゃ並大抵なものではないだろう。それでも敢えて注文する。 絶対にメダリストになる! という強い気持ちを持ってファイトしてほしい。期待している。

(構成・日刊ゲンダイ

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