パイレーツ入り筒香めぐり水面下で国内争奪戦が! 巨人vsDeNAに割って入る日本ハム

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「日本の球団も本格的に動き出すでしょう」

 米球界関係者がこう言った。日本時間16日、ドジャース傘下3Aを自由契約になり、パイレーツと合意した筒香嘉智(29)のことだ。

 筒香は今季、レイズで打率.167、0本塁打、5打点と低迷し、5月に40人枠から外れてドジャースへトレード移籍。しかし、ドジャースでも12試合で打率.120、0本塁打、2打点と結果を残せず、7月7日に3Aへ降格。8月は10試合出場で打率.387、2本塁打、11打点と好調を維持していたが、筒香獲得時に故障離脱していた選手が続々とメジャー復帰したことなどもあり、ワールドシリーズ制覇を目指すチームの構想から外れた格好だ。

 メジャーの補強期限である7月31日16時(東部時間)を過ぎても、40人枠を外れた選手はトレードが可能。早速、16日未明に「MLBネットワーク」のジョン・ヘイマン氏が自身のツイッターでパイレーツと契約合意に達したとコメント。筒香も所属事務所を通じて「パイレーツでも自身ができることに集中し、チームに貢献できるようベストを尽くします」とコメントを発表。メジャー契約とみられ、早ければ17日のドジャース戦に出場する可能性があるという。

■結果次第で再びクビも

 そんな中、国内の各球団が今オフの補強として、筒香の調査を本格化させるという。

 パイレーツは現在、両リーグ最少の426得点と貧打に苦しみ、ナ・リーグ中地区の最下位に低迷。来季に向けた戦力強化は不可欠だとしても、筒香はメジャーでの実績が乏しい上に、今年11月には30歳を迎える。今季の残り試合で「即戦力」として活躍できなければ、レイズやドジャースの時と同様、再び解雇される可能性が高いとみていい。

 筒香が日本球界復帰を決断した場合、イの一番に手を挙げるのは古巣DeNAだろう。三原球団代表は5月にレイズを解雇された際、「彼を送り出した際に『日本でプレーすることになったらベイスターズに戻ってきてほしい』と伝えており、その思いは今も変わっていません」とした上で、「今後、もし筒香選手が日本球界でのプレーを選択することになれば、しっかりとコミュニケーションを取っていきたいと思います」と言及。この日も改めて「彼の意思を尊重して、今後も注視していきたいと思います」とコメントした。

「だからといってDeNAが本気で取りに行くかどうかは別の話です」とは、横浜OB。

「筒香は左翼と一塁が本職ですが、外野は佐野、桑原、オースティンがレギュラーで固定され、一塁にもソトがいる。いくら筒香といえども、守る場所がない。むしろ、巨人の方が熱心じゃないか」

■阿部、村田のホットライン

 このOB氏によると、巨人には強固なパイプがあるという。

「DeNA時代に兄貴分として慕っていた村田一軍野手総合コーチに加え、来季からの新監督就任がウワサされている阿部二軍監督も筒香と同じ東京の治療院に通うなど、親交がある。しかも巨人の左翼と一塁は絶対的なレギュラーがいない。先日、新助っ人のハイネマン外野手(28=前レッズ3A)を獲得しており、8月中に筒香を取りに行くかどうかは不透明ですが、来季の補強リストには確実に入っているでしょう。仮に巨人が来季から『阿部新体制』へ移行すれば、オフに獲得に乗り出す可能性は十分にあります」

中田翔解雇なら日本ハム入りが急浮上

 争奪戦は「巨人対DeNA」の一騎打ちになりそうな気配だが、球界では日本ハムの動向が注目されている。

 主砲の中田(32)が後輩投手に対する暴行事件で無期限謹慎処分となり、3年契約が切れる今季限りでクビになる可能性も指摘されている。球団周辺では「筒香待望論」が巻き起こっているという。

「ポスト中田」として期待される4年目の清宮(22)は二軍でくすぶっているし、大砲候補の3年目の野村(21)、万波(21)も中軸を担うには時間がかかりそうだ。日本ハムOBが言う。

「筒香は球速と球威で押す投手が多いパより、セ向きではある。しかし、中田のポジションである一塁や指名打者で使える上に、2年後の2023年に移転予定の新球場は左打者有利といわれる。両翼は札幌ドームと同じ100メートルも、フェンスの高さは今の5.75メートルより低く、右中間もやや狭くなるという。球団も新球場の構造を考慮した編成を視野に入れており、その意味でも筒香はフィットするでしょう」

 日本ハムは来季の新監督候補として、侍ジャパンを率いて東京五輪で金メダルを獲得した稲葉篤紀氏(49)の名前が挙がっている。「稲葉新監督なら、公私で結びつきが強い中田の残留の追い風になる」との見方もあるが、日本ハムの編成はあくまでフロント主導。中田をクビにする場合、新たな長距離砲の補強は不可欠だ。稲葉氏と筒香は17年WBCから付き合いがあり、「日本の4番」として高く評価していた。

 三つ巴となりそうな争奪戦の行方は果たして――。

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