全日本は駒大連覇も「大学駅伝三冠」が難しい本当の理由 2000年に達成した順大元監督が語る

公開日: 更新日:

 駒大が、青学大との激戦を制しての連覇で14回目の優勝を決めたが、大会前の注目は10月の出雲全日本大学選抜駅伝に勝った東京国際大だった。伝統校を抑えて初出場の初Vで知名度が上がり、今大会も優勝候補に挙げられていた。3区でトップに立ち、5区で順位を下げるも6区で再び首位を奪還。だが、結局5位に終わり、「3冠」の夢は断たれた。

 大学駅伝の3大レースといえば、
10月 出雲(6区間、45.1キロ)
11月 全日本(8区間、106.8キロ)
1月 東京箱根間往復大学駅伝(10区間、217.1キロ)

 同一年度に、この3大会に優勝することを「大学駅伝3冠」という。過去に達成したのは1900年度・大東文化大、2000年度・順天堂大、10年度・早大、16年度・青学大の4校のみ。至難の業である。00年度に順大を3冠に導いた沢木啓祐元監督が言う。

「3大会は距離も起用する選手の数も異なる。緻密な戦略が求められるが、大まかに言えば出雲は実力が突出している大砲をアンカーに置き、全日本は7区、8区に走力のある選手を配置し、前半にレースの流れに乗り遅れなければ上位争いができる。00年度に3冠を取った時は5000メートルや1万メートルのトラック勢が充実していたので結果的に3連勝できたが、私は3冠を狙ったことはない。駅伝シーズンの到来を告げる出雲では駅伝の戦力になるかを確認し、全日本は箱根でどの区間を走らせるかを見極める。各レースに対する考え方に違いはあっても、関東の大学は10区間の全員が20キロ以上を走る箱根で勝つことが最大の目標です。箱根の戦いは出雲から始まっているのです」

 ちなみに、箱根の優勝を狙えるのは主催する関東学生陸上競技連盟の加盟校のみ(出雲、全日本の主催は日本学生陸上競技連合)。関東以外の大学には、はなから「3冠」を狙えない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?