東京ドームの広告の大半が「大谷翔平」 1人で経済効果1750億円、仰天の貢献とブランド戦略

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ありとあらゆる場所に「大谷翔平」が

 東京ドームやその周辺には、ありとあらゆる場所に大谷があふれている。JR水道橋駅の西口を出ると、「黄色いビル」の壁面の巨大スクリーンにWBC開幕直前から始まったコーセー「雪肌精」のCMが流れ、スベスベお肌の大谷が出迎える。球場に入ると、巨大なモニター広告に大谷。柱の広告にも大谷。極め付きは場内のバックスクリーンのデジタル看板広告。左から右へズラリと並んだ広告のほとんどが大谷、もしくは大谷のスポンサーのものなのだ。

 多くのスポンサーが大谷に群がるのは当然として、冒頭のバレロ氏を含めた「チーム大谷」としても、今回のWBCを重要なプロモーションの場として捉えているという。

「大谷は大阪から東京へと移動する際、ひとり他の選手と形状の違うスーツを着ていた。侍ジャパンの公式スーツではなく、自身がスポンサー契約を結ぶ『ヒューゴ・ボス』のものだともっぱらです。野手専念で試合に出るときも、あえて目立つグラウンド真ん中付近に出てアップをしているし、ウエアも今季から契約を結ぶニューバランスの『NB』が目立つように施されている。エンゼルス在籍時は基本、会見した翌日はインタビューに応じない、という暗黙のルールがありますが、WBCでは一人でも多くのファンに自身の声を届けたいので、ヒーローインタビューや会見にもできうる限り応じようとしています」(代表関係者)

 米「スポンサー・ユナイテッド」は昨年10月、大谷のスポンサーはメジャー最多の計17社で、年間の契約金を約30億円と算出した。さらに今年、バットやグラブ、アパレルなどの契約をアシックスとデサントから、米資本のニューバランスとチャンドラーに変更した。

■外資系参入で契約金もケタが1つ違う

 かつて大谷と契約を結んでいたスポンサーの関係者は、「これまで日本企業としては破格の億単位の契約を結んでいたが、外資系が入ってきたことで、ケタが1つ違う。もはや太刀打ちできる金額ではない。たとえばニューバランスは本人の年俸を超える50億円規模と予想されます」と明かす。

 大谷の肖像権を借りる形でバットや記念コインなども売られている。大谷でひと儲けしたい企業は枚挙にいとまがない。

「大谷は原則、野球に専念するという理由で、スポンサーをかなり厳選してきた。今も、その方針に変わりはないでしょうが、WBCで優勝したい気持ちが強く、ダルビッシュにも『一緒に優勝しましょう』と、代表入りを説得。人気が急騰している日系人のヌートバー招集の窓口になったのも、大谷の通訳である水原一平氏。グラウンド内外の貢献度は絶大です」(同)

 WBCで日本が世界一になった場合、国内における経済効果を約600億円と算出した関大名誉教授の宮本勝浩氏も、数字を上方修正する。

「計算したのは2月中旬。大谷選手の活躍もあり、優勝する前からかなりの盛り上がりを見せています。グッズの売り上げ、飲食の売り上げ、そこから派生する経済効果を含めると、当初の600億円から50億円は増えるでしょう。ただ、公式グッズの肖像権はWBCIが持っているため日本国内での増額分はそれほどではない。世界規模でみると、2017年大会に過去最高の観客動員を記録した売り上げなどから予想するに、経済効果は5000億円規模に達するはず。そのうち半分(2500億円)は日本が稼いでいるとみていい。大谷選手の貢献度は絶大であり、『大谷翔平』ブランドの価値もさらに上昇したことは間違いありません」

 日本が稼いだ2500億円のうち、仮に大谷の貢献度が7割を占めるとすると、たった一人で1750億円の経済効果をもたらすことになる。日本中が熱狂した「大谷劇場」は、米国での決勝ラウンドへと続いていく──。

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