オリ山本由伸メジャーでの評価高騰これだけの根拠 契約総額300億円級の大争奪戦に!

公開日: 更新日:

 メジャーの複数球団による大争奪戦は必至だ。

 24日の西武戦に先発し、7回3安打無失点、10奪三振の好投でリーグトップを独走する3年連続の15勝目(6敗)をマークしたオリックス山本由伸(25)である。

 9日には2リーグ制後初となる2年連続のノーヒットノーランを達成。防御率はリーグ断トツの1.26で、158奪三振、勝率.714でそれぞれリーグトップに浮上した。前人未到の3年連続「投手4冠」に加え、あの金田正一以来の3年連続の沢村賞獲得も視野に入れる右腕は今オフ、ポスティングによるメジャー挑戦が確実視されている。

■米誌「フォーブス」は300億円と試算

 9月にキャッシュマンGMがわざわざ日本に足を運び、ノーノーの快挙を見届けたヤンキースを筆頭に、ドジャース、レッドソックスなど老舗の金満球団が山本を本格調査しているという。米誌「フォーブス」は山本の市場価値を2億ドル(約300億円)と試算。2013年オフに田中将大がヤンキースと結んだ日本人史上最高額の7年1.55億ドル(約161億円=当時レート)を更新する可能性は高い。

 その山本はかねて、体に負担がかかりづらい投球フォームを模索し続けている。今季、左足をあまり上げない新フォームに挑戦したこともしかりだ。身長は178センチと比較的小柄で、ウエートトレーニングもほとんどやらないが、ストライドを大きく取る股関節まわりと、上半身の回転の速さを生む胸郭(肋骨、胸椎部分)の柔軟性の高さに加え、やり投げのジャベリックスローなどで体幹を鍛えることを重視。柔らかさと強さを兼ね備えている。

「ただ山本は、腕力に頼らず体全体を駆使して投げる。その分、他の投手よりも疲労が蓄積しやすい。昨季も日本シリーズ初戦で左脇腹を痛めて緊急降板するなど、過去に何度か脇腹を故障した。しかも、テイクバックが大きい『アーム投げ』は、肩や肘に負担がかかりやすいとされる。メジャースカウトの中には、一昨年、昨年と200イニング近く投げていることの疲労、消耗を不安視する向きがあったのも事実です」(オリックスOB)

■8月には体調に異変も9月には覚醒

 今季は3月のWBCからフル回転を強いられ、開幕一軍からは外れたものの、登板を1回飛ばしただけで4月6日に今季初先発した。ローテの間隔を適宜空けつつも、基本的に中6日で登板してきた。前出OBが言う。

「山本と同様にWBCで『第1先発』を担った大谷翔平(エンゼルス)、ダルビッシュ有(パドレス)、佐々木朗希ロッテ)が相次いで故障に見舞われた。山本も、8月16日のソフトバンク戦で5回までに110球を要して3失点で降板(自責は0)。8月は大谷が右腕の疲労を訴えたり、先発登板を回避したりした挙げ句、右肘靱帯を損傷したタイミングで、山本も体の張りを感じるなど、必ずしも本調子ではなかったそうです。しかも、3連覇を達成すれば、ポストシーズンでのフル回転も強いられる。チーム周辺では、疲労の蓄積と故障を心配する声が出ていました」

 しかし、山本はそうした不安を一掃した。8月を4試合、3勝1敗、防御率0.00で乗り切ると、9月9日にはノーノーを達成。シーズン序盤以上に好成績を挙げている。

「念入りな体のケアはもちろん、打者ごとに配球を工夫し、投げ方を微妙に変え、力の入れ具合も調整する。まさに彼の真骨頂でしょう」とは、前出OBだ。

 アマ時代から我が道を歩み、日本のエースにまで上りつめた矜持もあるだろう。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  2. 2

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  3. 3

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    巨人・阿部監督に心境の変化「岡本和真とまた来季」…主砲のメジャー挑戦可否がチーム内外で注目集める

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    オレが立浪和義にコンプレックスを抱いた深層…現役時代は一度も食事したことがなかった

  3. 8

    巨人エース戸郷翔征の不振を招いた“真犯人”の実名…評論家のOB元投手コーチがバッサリ

  4. 9

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」

  5. 10

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    本命は今田美桜、小芝風花、芳根京子でも「ウラ本命」「大穴」は…“清純派女優”戦線の意外な未来予想図

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    石破首相続投の“切り札”か…自民森山幹事長の後任に「小泉進次郎」説が急浮上

  4. 9

    今田美桜「あんぱん」44歳遅咲き俳優の“執事系秘書”にキュン続出! “にゃーにゃーイケオジ”退場にはロスの声も…

  5. 10

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃