ソフトバンク小久保監督が説く「生活のすべてが野球に直結していない選手はなかなか伸びない」

公開日: 更新日:

 ともすれば昭和的と思われるソフトバンク小久保裕紀新監督(52)。では、二軍監督時代は具体的に選手にどのような指導をしていたのか。

 ◇  ◇  ◇

 ──前回(新春特別号)、反復練習で身に付ける「型」と、最終的に自分独自のスタイルをつくる「守破離」の話をしても、若手にはなかなか理解してもらえない、と話していました。

「もちろん、時代に合った指導もしています。昨今は遠回りせず、できるだけ近道で正解を見つけようという考えが主流ですが、では反復練習が不要かといえば、そうではない。例えば、投手がボールを投げて捕手が捕るまで、球速145~150キロの直球で平均0.42秒かかるそうです。一方、打者はスイングを始めてから振り終わるまで、大体0.2秒。つまり、反応する時間は0.22秒しかない。でも、人間は物事に気付いて意識するまで0.5秒かかる」

■「空いた時間を有効活用するかが大事」

 ──ボールを認識してから振ろうと思っても間に合わない。

「だからバッティングというのは予測や反射で補わなければいけない。これは物理学的にも証明されています。無意識にバットを出すにはどうすればいいか? つまり、反復練習なんです。無意識に出てくるものが『型』なんです。『この角度で打てば、いい打球が飛ぶ』というデータもありますが、無意識にその角度でバットを振れるようになるには、反復練習しかないのです」

 ──昔のやり方でも、実は合理的というケースは少なくない。

「だから、まずは勉強をすることですね。プロ野球選手は24時間、野球をしてるわけではないので、趣味に割く時間があってもいい。ただし、一番大事なのは、野球がうまくなるためにどうすべきか? ということです。生活のすべてが野球に直結していない選手は、なかなか伸びません。空いた時間をいかに活用できるかが重要なんです」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋