著者のコラム一覧
春日良一五輪アナリスト

長野県出身。上智大学哲学科卒。1978年に日本体育協会に入る。89年に新生JOCに移り、IOC渉外担当に。90年長野五輪招致委員会に出向、招致活動に関わる。95年にJOCを退職。スポーツコンサルティング会社を設立し、代表に。98年から五輪批評「スポーツ思考」(メルマガ)を主筆。https://genkina-atelier.com/sp/

“五輪休戦思想”がゼレンスキーとプーチンを救う 国連決議にも両大統領は拒否の姿勢だが…

公開日: 更新日:

 フランスのマクロン大統領は「オリンピック休戦」を呼びかけている。

 5月5日からフランスを訪問した中国の習近平主席にも提案、賛同を得た。だが、最もこれを受け入れてもらいたい2カ国のトップがそれぞれの立場で提案を拒否した。

 ウクライナのゼレンスキー大統領は「ロシアがウクライナ領への進軍に利用しないと誰が保証できるのか。われわれはプーチンを信用していない。休戦は敵の思うつぼで、われわれはあらゆる休戦に反対する」とし、ロシアのプーチン大統領は「五輪休戦を含む五輪理念は正しいが、国際オリンピック委員会(IOC)はロシアの選手が国を代表して五輪に出場するのを認めず、自ら五輪憲章に違反している。よって(今次)休戦は支持しない」と言うのだ。

 パリ五輪に関わる五輪休戦は昨年の国連決議を得て、パリ五輪開会7日前から同パラリンピック閉会7日後までの期間となる。この期間だけは武器を置いてオリンピアに集まるという古代オリンピア祭から引き継がれた「休戦思想」の実現が危うくなっているのだ。


 そもそも五輪休戦を打ち破ったのはプーチンで、2022年北京冬季五輪閉会4日後にウクライナに侵攻した。五輪精神を敬うならばあってはならない行為である。プーチンの贖罪はパリ五輪の休戦を実現すること以外に得られない。

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