著者のコラム一覧
元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

危機的状況で迎えた南アW杯直前…闘莉王が「俺たちは弱い。球際を厳しく」と言い出した

公開日: 更新日:

 2010年南アフリカW杯。初戦のカメルーン戦で本田圭佑が挙げた先制弾のアシストについて「(監督の)岡田(武史)さん(J3・FC今治会長)が『持ったら早く入れろ』と言っていたんで、右足で切り返すしかないと思って(利き足ではない)左足でクロスをファーに入れたら、ちょうどいいところに行きました」と振り返る。日本代表として全身全霊を注いだ14年前の日々。43歳になった男が、歴史的名シーンに思いを馳せた。

  ◇  ◇  ◇

 日本は1998年フランス大会からW杯に7回連続出場しているが「前評判が低かった時の方が好成績を残す」という奇妙な“ジンクス”がある。

 その最たるものが10年の南ア大会である。当時の日本代表はW杯前の壮行試合で韓国に0-2で完敗。岡田監督が当時の犬飼基昭JFA会長に進退伺いをするほど危機的状況に瀕していたのだ。

「僕は右ひざをケガして韓国戦に出られず、イングランドとの親善試合も途中からだった。『本番は難しい』という見方もあったかもしれないけど、テストマッチに出るか出ないかに関係なく、本番の初戦だけに照準を合わせていました。個人的にはザースフェー(スイス)の高地トレーニングで心肺機能が上がったのが凄く良かったですね。(主将が中沢佑二から長谷部誠に代わった)イングランド戦前のミーティングも大きかった。(田中マルクス)闘莉王が『俺たちは弱い。もっと球際を激しく行こう』と言い出したのも、自分のやるべきことを再認識するいい機会になった。戦術どうこうじゃなく、気持ちと球際、90分間走ることだけ考えればいいと割り切れました」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    2度不倫の山本モナ 年商40億円社長と結婚&引退の次は…

  2. 2

    日本ハムFA松本剛の「巨人入り」に2つの重圧…来季V逸なら“戦犯”リスクまで背負うことに

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    「ばけばけ」好演で株を上げた北川景子と“結婚”で失速気味の「ブギウギ」趣里の明暗クッキリ

  5. 5

    「存立危機事態」めぐり「台湾有事」に言及で日中対立激化…引くに引けない高市首相の自業自得

  1. 6

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  2. 7

    (2)「アルコールより危険な飲み物」とは…日本人の30%が脂肪肝

  3. 8

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  4. 9

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  5. 10

    高市政権の物価高対策はパクリばかりで“オリジナル”ゼロ…今さら「デフレ脱却宣言目指す」のア然