卓球女子シングルス早田ひなの自滅に見えた孫穎莎のバケモノぶり【卓球コラムニスト・伊藤条太 観戦記】

公開日: 更新日:

【パリ五輪】卓球女子シングルス

 女子シングルス準決勝は世界ランキング5位で第4シードの早田ひなが同1位で第1シードの孫穎莎(ソン・エイサ)に0-4で完敗した。卓球コラムニストの伊藤条太氏はこの試合を見て孫のすごさに改めて驚かされたという。

  ◇  ◇  ◇

 まず、早田は左腕に黒いテーピングをしていました。北朝鮮選手を4-3で下した前日の準々決勝のラリーで痛めたようです。コンディションが100%ではなかった点は無念だったと思います。それにしても、孫の人間離れした強さが際立っていました。早田が厳しいコースに打ち込んでも、ことごとく反応する。それも台の角を狙った速い球でです。

 孫は普通の選手より前で反応でき、その短い時間で猛烈な回転もかけます。回転がすべてのサービス1つとっても、ラケットを微妙に動かしているのでどんな回転かが読めない。そのため早田は、速い直線的な球ではなく、安全策で高くてやや遅い球で返さざるを得ません。

 孫はそれを狙い打ちしてくる。早田に限らず、卓球ではレベル差がある2人が戦うと、強い選手は特別なことは何もしていないのに、相手がひとりでミスしているように見える。今回の早田もそう見えたかもしれませんが、それだけ孫のプレーが完璧だったということです。コンディションが万全でないことを差し引いても、すべての点で孫は早田を上回っていた。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    高市政権マッ青! 連立の“急所”維新「藤田ショック」は幕引き不能…橋下徹氏の“連続口撃”が追い打ち

  4. 4

    YouTuber「はらぺこツインズ」は"即入院"に"激変"のギャル曽根…大食いタレントの健康被害と需要

  5. 5

    クマと遭遇しない安全な紅葉スポットはどこにある? 人気の観光イベントも続々中止

  1. 6

    和田アキ子が明かした「57年間給料制」の内訳と若手タレントたちが仰天した“特別待遇”列伝

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲

  4. 9

    「渡鬼」降板、病魔と闘った山岡久乃

  5. 10

    元大食い女王・赤阪尊子さん 還暦を越えて“食欲”に変化が