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六川亨サッカージャーナリスト

1957年、東京都板橋区出まれ。法政大卒。月刊サッカーダイジェストの記者を振り出しに隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任。01年にサカダイを離れ、CALCIO2002の編集長を兼務しながら浦和レッズマガジンなど数誌を創刊。W杯、EURO、南米選手権、五輪などを精力的に取材。10年3月にフリーのサッカージャーナリストに。携帯サイト「超ワールドサッカー」でメルマガやコラムを長年執筆。主な著書に「Jリーグ・レジェンド」シリーズ、「Jリーグ・スーパーゴールズ」、「サッカー戦術ルネッサンス」、「ストライカー特別講座」(東邦出版)など。

59歳で亡くなったイタリアW杯得点王スキラッチさんを悼む…ジュビロ磐田で日本サッカーを叱咤激励

公開日: 更新日:

 ところが"トト"(救世主)のゴール感覚は、いささかも衰えていなかった。入団翌年の1995年は、ブラジル代表MFドゥンガの加入などもあり、34試合で31ゴールという驚異的な数字を残す(Jリーグ通算78試合で56得点)。

 驚かされたのは、アジリティを生かしたゴールだけでなく、ドリブル突破からのゴールも簡単に決めていたことだった。 スキラッチ=ペナルティーエリア内での1タッチシュートのイメージが強かったが、ドリブル突破で3人のマーカーを抜いてゴールを決めてみたり、サイドからの仕掛けでチャンスメイクをしてみたり、点を取ること以外でもチームに貢献した。

 そうしたプレーを目の当たりにしながら、正直なところ「スキラッチが凄い」というよりも「Jリーグのレベルはまだまだ低い」と憂鬱になった記憶が残っている。

 当時のJリーグの守備のレベルは低かった。

 それを「勘違いしないで自覚しなさい」と叱咤激励し、レベル向上に貢献したのが、スキラッチを含めたJリーグ黎明期の外国人選手たちだったことは間違いないだろう。

 Jリーグは今季、開幕31周年を迎えた。功労者スキラッチの早過ぎる訃報に改めてご冥福をお祈りします。

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