ヤンキースの致命傷は当たり前のことを選手に落とし込むコミュニケーターの不在

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 当たり前のことだが、それはオーナーを含めたチームの編成責任者、育成の責任者、データ分析の責任者、監督、コーチ、そして選手の、チームが一丸となることによって出来上がる。

 チームとしての最終目標は勝つこと。その価値をチーム全員が共有することによって生まれるものだからだ。

 その過程において重要なのは各担当者間の密なるコミュニケーションである。現代のデータ分析隆盛の野球においては、あれもこれもと何かと頭でっかちになりがち。素晴らしいデータ分析を選手がしっかり理解し、自分のものとするために最も求められるのはコミュニケーション能力だ。

 ここ数年、そのようなスキルを求められ、メジャーで選手経験がないにもかかわらず、監督に就任するケースが多い。コーチもしかりだ。

 現在はあらゆるプレーが分析され、数値化、データ化される。データが量的、質的に飽和状態となった今、選手はそれらの情報を教えられ、教えられたようにプレーする(もちろん、教えられた通りにプレーできるかどうかはその選手の才能に負うところが大きいが)。裏を返せば教えられたようにしかプレーできない、それこそ2019年に引退したイチローが当時の会見で、「現在の野球は頭を使わなくてもできてしまうものになりつつある」と言った、まさにそのような野球になっているのかもしれない。

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