ヤンキースの致命傷は当たり前のことを選手に落とし込むコミュニケーターの不在

公開日: 更新日:

 当たり前のことだが、それはオーナーを含めたチームの編成責任者、育成の責任者、データ分析の責任者、監督、コーチ、そして選手の、チームが一丸となることによって出来上がる。

 チームとしての最終目標は勝つこと。その価値をチーム全員が共有することによって生まれるものだからだ。

 その過程において重要なのは各担当者間の密なるコミュニケーションである。現代のデータ分析隆盛の野球においては、あれもこれもと何かと頭でっかちになりがち。素晴らしいデータ分析を選手がしっかり理解し、自分のものとするために最も求められるのはコミュニケーション能力だ。

 ここ数年、そのようなスキルを求められ、メジャーで選手経験がないにもかかわらず、監督に就任するケースが多い。コーチもしかりだ。

 現在はあらゆるプレーが分析され、数値化、データ化される。データが量的、質的に飽和状態となった今、選手はそれらの情報を教えられ、教えられたようにプレーする(もちろん、教えられた通りにプレーできるかどうかはその選手の才能に負うところが大きいが)。裏を返せば教えられたようにしかプレーできない、それこそ2019年に引退したイチローが当時の会見で、「現在の野球は頭を使わなくてもできてしまうものになりつつある」と言った、まさにそのような野球になっているのかもしれない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    横浜流星「べらぼう」ついに8%台に下落のナゼ…評価は高いのに視聴率が伴わないNHK大河のジレンマ

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希「今季構想外」特別待遇剥奪でアリゾナ送還へ…かばい続けてきたロバーツ監督まで首捻る

  5. 5

    中日・中田翔がいよいよ崖っぷち…西武から“問題児”佐藤龍世を素行リスク覚悟で獲得の波紋

  1. 6

    元横綱白鵬が突然告白「皇帝の末裔」に角界一同“苦笑”のワケ…《本当だったらとっくに吹聴しています》

  2. 7

    元横綱白鵬 退職決定で気になる「3つの疑問」…不可解な時期、憎き照ノ富士、親方衆も首を捻る今後

  3. 8

    阿部巨人の貧打解消策はやっぱり助っ人補強…“ヤングジャイアンツと心中”の覚悟なし

  4. 9

    山本舞香は“ヤンキー”より“令嬢”がハマる?「波うららかに、めおと日和」《ふかふみコンビ》で人気急上昇

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも