著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

大リーグ機構の国際戦略に選手会は複雑胸中…球団経営者の「選手年俸カット」の思惑見え隠れ

公開日: 更新日:

 マンフレッドが今後も日本での開幕戦シリーズの継続的な実施に前向きな姿勢を示すのも、世界第2位の市場である日本の重要さと将来性の高さを強く認識している表れにほかならない。

 それとともに、2015年1月の就任当初から、折に触れて試合数の削減の可能性に言及してきたのがマンフレッドである。

 23年には海外公式戦の実施に伴う日程の見直しを理由に、レギュラーシーズンを現行の162試合制から1960年までの154試合制に戻すという私案を提起したことを考えれば、26年12月1日で失効する現在の労使協定の改定の際に海外での公式戦の開催が重要な争点の一つになるだろう。

 なぜなら球団経営者たちが年俸は試合数に応じて設定されるべきだと主張しやすい根拠が試合数の削減だからだ。

 選手会からすれば、球団は財務状況を正確に開示していない。そして、不十分な情報しか明らかになっていない以上、年俸と試合数を連動させることに合理的な根拠はなく、将来的な年俸総額制の導入の布石と映る。

 大リーグ機構による国際戦略は、球団経営者の年俸水準の切り下げという思惑を野球の世界的な普及という誰もが反対しにくい名目で覆い隠すという一面がある。それだけに選手たちにとっては無条件で賛同することが難しい問題でもある。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    スマスロ『からくりサーカス2』にユーザーから厳しい評価 射幸性高い人気シリーズが直面する「2作目のジンクス」

  2. 2

    矢沢永吉が秋ツアーで"また"歴史を変える!「長者番付1位」と驚きの成り上がり秘話

  3. 3

    巨人ドラ1候補に花巻東・古城大翔が急浮上! 父はG戦士「振り向けば古城」、岡本和真の後釜育成急務

  4. 4

    安青錦3度目Vはアッパレだが、私の大の里への評価は甘かった。両横綱よ「13勝の壁」を破ってみせよ

  5. 5

    パチスロ愛好家の漫画家ユキヲ氏に聞いた 自作『邪神ちゃんドロップキック』パチスロ化への思い

  1. 6

    中京大中京から享栄へ、大藤監督が明かす“異例の転身”の真相

  2. 7

    東証で新たな動き…1月~7月までに上場廃止を選択する企業が過去最多のナゼ

  3. 8

    「墓じまい」に悩むシニア 費用や遺骨の始末より問題になる「家族の愛憎問題」

  4. 9

    長崎でも高市首相はスカスカ挨拶…戦争責任「反省なんかしておりません」95年の発言がSNSで猛拡散

  5. 10

    ヤクルト「早すぎた続投宣言」の代償…池山監督の来季続投決定後に泥沼、投手陣も崩壊