元ボクシング世界王者 徳山昌守さんはジム経営 SNSで話題の小学生“パンチくん”はじめ練習生が60人も

公開日: 更新日:

自ら家族を持って心境に変化。「打たれないボクシング」を徹底指導

 同じ頃から、アマチュアボクサーの個人トレーナーも開始。教え子のなかには、30歳以上対象のボクシング大会「ザ・おやじファイト」関西チャンピオンになった人も。徳山さんが教えている選手は全勝だそうだ。

「プロを教え、自分のジムから世界チャンピオンを出したい気持ちはもちろんあります。ただ、現役時代は死んでもベルトを取りに行くんだという気持ちでやっていましたが、立場が変わり、今は僕のジムの子は試合後、五体満足で家族など待っている人のもとへ返す、というのが僕の使命やと思っています。打たさずに打つボクシングを徹底的に指導しています」

 そう考えるのは、自身も家族を持ったからこそ。現役時代の28歳のとき、同い年のチェ・インスクさんと結婚。この春、中学3年になる長女、小学6年になる長男の家族4人で、大阪市内で暮らす。

「長男はサッカーに夢中ですが、『今からボクシングを始めたら、世界チャンピオンになれるぞ』と勧めています。でも長男は気持ちが優しい。僕も息子が打たれるのを見るのはつらくてね……」

 さて、東京・大田区生まれの徳山さんは、93年、単身大阪へ。翌年、プロデビュー。00年、WBC世界スーパーフライ級王者になると、8回連続を含む9回の防衛を果たし、チャンピオンのまま07年引退した。

「僕は運が良かった。相手のパンチが1センチずれて受けていたら、命を失っていたかもしれない。いくら練習を積んでも、思い通りによけるなんて不可能。だから、運が寄ってくる人間になることが大事。宗教っぽいことを言うようだけど、それには常に笑顔で前向きに感謝を忘れないことだと思います」

 では、井上尚弥の強さはどこにあるか、と聞いてみると──。

「彼の脚を見たら大腿四頭筋がめちゃめちゃ盛り上がっています。パンチは足で打てといわれますが、彼の強さの秘密は下半身の強さにあると、僕はみています」

(取材・文=中野裕子)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    【広陵OB】今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  2. 2

    海星・陣内優翔は長崎県初の“完全男”だが…スカウトが「上位獲得」を渋るワケ

  3. 3

    NHK「昭和16年夏の敗戦」は見ごたえあり 今年は戦争特別番組が盛りだくさん

  4. 4

    二階堂ふみ&カズレーザー電撃婚で浮上したナゾ…「翔んで埼玉」と屈指の進学校・熊谷高校の関係は?

  5. 5

    自死した元兵庫県議の妻がN党・立花孝志党首を「名誉毀損」の疑いで刑事告訴…今後予想される厳しい捜査の行方

  1. 6

    永野芽郁が“濡れ場あり”韓流ドラマで「セクシー派女優転身、世界デビュー」の仰天情報

  2. 7

    突然のがん宣告にも動揺なし「で、ステージはナンボでしょうか?」

  3. 8

    長崎を熱狂させた海星・酒井圭一さんが当時を語る…プロ引退後はスカウトとして大谷翔平を担当

  4. 9

    安藤サクラ「柄本佑が初めて交際した人」に驚きの声…“遊び人の父”奥田瑛二を持つ娘の苦悩

  5. 10

    平和記念式典での石破首相スピーチの評判がすこぶるいいが…原稿を下書きしたのはAIだった?