メークドラマ“胎動”の瞬間…スポーツ紙を片手に鼓舞する私に、長嶋さんは静かな笑みを浮かべて頷いた
7月9日の初戦の二回に9連打で一挙7得点を奪うなど、10対8で混戦を制すると、翌10日はガルベスが1失点完投で快勝。監督が生き生きとした表情で采配を振る姿が印象的でした。
その後のチームの歩みはここでは省きますが、10月6日、ついにメークドラマが完結。監督はナゴヤ球場で7度、宙を舞いました。
監督と初めてお会いしたのは1次政権時の76年。私は早大監督で、教え子である松本匡史がドラフト5位で指名される際にお話をしました。
それから20年……満面の笑みを浮かべた監督の胴上げに立ち会えたことは、本当に感慨深いですね。
▽石山建一(いしやま・けんいち) 1942年、静岡県生まれ。静岡高時代に遊撃手として活躍、60年夏の甲子園で準優勝。早大、日本石油(現ENEOS)でプレーし、引退後は早大や社会人のプリンスホテルで監督を務めた。