「甲子園球児のここを見る」…大谷やダル獲得に携わった元日本ハムGM山田正雄スカウト顧問が徹底解説

公開日: 更新日:

「球速は大きな問題ではない」

 ──いい変化球をもった投手は評価しますか。

「いいカーブを投げる投手はもちろん、腕を鋭く振って真横に滑るような鋭いスライダーを投げる投手は将来の武器になると思って見ています」

 ──最近の甲子園では150キロの速球を投げる投手も珍しくありませんが、球速はどうでしょう。

「投げ方さえ悪くなければ、球速は大きな問題ではないと思います。高校生は143キロ以上投げないと難しいなどといわれた時期もありますが、日本ハムの若手を見ても球速が劇的にアップするケースがあります。筋力トレーニングを含めた育成の成果でしょう。球速以上に重視しているのは、球筋というか角度です。内角への速球は打者の懐に食い込み、外角への速球は外に逃げるような球筋、つまりホームベースの投手側の角をそぎ取るような球筋の投手は評価します」

 ──野手はどうでしょうか?

「バッターはタイミングの取り方ですかね。このバッターは振れるとか、振れないとか、振りが速いとかいうじゃないですか。ピッチャーが球をリリースするときには、バッターもトップに入っていつでも叩ける状態にならないとバットは出ていかない。常にいいタイミングで投手の投げる球を待てるかどうか。それがうまい人は打てる可能性が高いのかなと思います。振れるというのは、そういうタイミングの取り方ができているからです。ストレートだろうと変化球だろうと、常に同じような待ち方ができて、振りにいける」

 ──他にバッターを見る際のポイントがあれば教えてください。

「ボール球に手を出すと、どうやっても率は上がらないし、ベースの手前でワンバウンドするような球を打ちにいくのはどうなのかと。絶対とは言えませんけど、いい成績が残せない確率は高いですよね。いい打者は体の軸がブレない。10回のうち8回くらいは体勢が崩れないようなバッターじゃないと。ドアスイングとかアッパースイングとか打つときに手首をこねてしまうというのは、あくまでも後天的なもの。打ち方が良くないのは直ると思っているので、さほど気にしていません」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 2

    萩生田光一氏「石破おろし」がトーンダウン…自民裏金事件めぐり、特捜部が政策秘書を略式起訴へ

  3. 3

    参政党は言行一致の政党だった!「多夫多妻」の提唱通り、党内は不倫やら略奪婚が花盛り

  4. 4

    【夏の甲子園】初戦で「勝つ高校」「負ける高校」完全予想…今夏は好カード目白押しの大混戦

  5. 5

    早場米シーズン到来、例年にない高値…では今年のコメ相場はどうなる?

  1. 6

    落合博満さんと初キャンプでまさかの相部屋、すこぶる憂鬱だった1カ月間の一部始終

  2. 7

    打者にとって藤浪晋太郎ほど嫌な投手はいない。本人はもちろん、ベンチがそう割り切れるか

  3. 8

    伊東市長「続投表明」で大炎上!そして学歴詐称疑惑は「カイロ大卒」の小池都知事にも“飛び火”

  4. 9

    “芸能界のドン”逝去で変わりゆく業界勢力図…取り巻きや御用マスコミが消えた後に現れるモノ

  5. 10

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も