不世出のストライカー故・釜本邦茂さんが「自分に似ている」と高評価した日本代表FWの名前と改善点
「世界相手に大きな武器になる」
「釜本さんは『上田の速くて重たいシュートの威力は近年のFWの中で突出している。ヘディングの威力も凄いし、身長182㌢の恵まれた体躯でポストプレーも秀逸』と絶賛していた。23年3月のコロンビア戦を一緒に観戦した時、長身DFに競り勝って打点の高い強烈ヘディングシュートを披露すると『(自分に)似ている。これは世界相手に大きな武器になる』と嬉しそうに話していた」(前出のベテラン記者)
が、上田が「釜本二世」を襲名するには、改善すべきポイントがある。一流ストライカーに不可欠な要素として、釜本さん自身が挙げていた「オレさまがゴールを決めて勝利をもぎ取ってやるーーというエゴイスティックなキャラクター」が、上田には希薄と言われているのだ。
13日の告別式に参列した釜本さんの早大時代の3学年上でメキシコ五輪銅メダリストのひとり、FW松本育夫さん(83)が、こんなエピソードを披瀝した。
「ガマ(釜本さんの愛称)が、ある国際試合の試合中、早大OBで代表主将を務めていたMF八重樫茂生さん(11年に78歳で死去)に『おいっ! ガマ! (前線から)戻って守備、せんかい!』と怒鳴られた。するとガマは『先輩、ゴールを決めればええんでしょ』と笑いながら言い返した。当時、絶対的な存在だった大先輩に口答えするなんて許されなかった。私は<コイツはモノがケタ違い。メンタル的にも生粋のストライカーだ>と意を強くしたものです」
上田のさらなるレベルアップを釜本さんも望んでいるはずだ。