著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

日本のマラソンに火をつけた山田敬蔵の思い出…戦後80年、忘れていけない足跡がある

公開日: 更新日:

 生前に何度もそう話した。その通りだろう。ただ、各県には割り当てがあった。16日付の朝日新聞によれば、員数を満たした自治体に補助金が入る仕組みだったという。

 今は静かな大館もかつて鉱山の町として栄え、映画館が2軒あった。山田少年はそこで孫基禎がベルリン五輪で勝った映画を見たという。日本が戦後初参加したヘルシンキ五輪の代表になった。ザトペック3冠の大会で結果は惨敗。が、そこで死んだとばかり聞いていた孫基禎に会った。

「子供の頃に映画を見て、いかに敬愛してきたか話したら、先生はとても喜んでくれ、それからは可愛がってもらいました」

 ボストン優勝はその翌年のこと。日本のマラソン熱はそこから火がつき、最初の東京五輪で地歩を固めている……。

 冬の合宿地だった福島県浪江町の大会で、最後まで食いついてきた高校生がいた。円谷幸吉だった。山田さんは、実績のなかった円谷を自衛隊体育学校の1期生にすべく、織田幹雄を説得し自衛隊まで出向いた。円谷のメダルなしに、マラソンの繁栄はなかった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  2. 2

    巨人が楽天・辰己涼介の国内FA争奪戦に参戦へ…年齢、実績的にもお買い得

  3. 3

    マエケンの「DeNA入り」が急浮上! 古巣広島まさかのNO、巨人はマー君が足かせで動けず

  4. 4

    サッカー界で囁かれる森保J・長友佑都の“お役御免”と大物選手の代表復帰

  5. 5

    ドジャースの“朗希タンパリング疑惑”で大迷惑!米29球団&日本プロ球団こぞって怒り心頭の納得理由

  1. 6

    公明党が「自民との連立離脱も辞さず」の背景…まさかの“国政撤退”もあり得る深刻事情

  2. 7

    囁かれていた「Aぇ!group」は「ヤベぇ!group」の悪評判…草間リチャード敬太が公然わいせつ容疑で逮捕の衝撃

  3. 8

    ドジャース佐々木朗希の抑え起用に太鼓判も…上原浩治氏と橋本清氏が口を揃える「不安要素」

  4. 9

    高市早苗総裁はまだ首相じゃないのに閣僚人事?「内閣の要」官房長官に“激ヤバ”木原稔前防衛相のワケ

  5. 10

    ドジャース大谷翔平は“自信のデカさ”も世界一! 二刀流は「自分にしかできない役割」と会見で断言