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森雅史サッカージャーナリスト

佐賀県出身。久留米大付設高から上智大。サッカーダイジェスト編集部を皮切りに多くのサッカー雑誌の編集に携わり、2009年の独立後も国内外精力的に取材を続けている。「Football ZONE」「サッカー批評web」などに寄稿。FM佐賀で「木原慶吾と森雅史のフットボールニュース」。「J論プレミアム」「みんなのごはん」を連載中。「日本蹴球合同会社」代表。著者写真は本人提供。

森保監督が38歳の長友佑都を日本代表に招集し続けるワケ…7月の中国戦はラスト通告だった

公開日: 更新日:

東アジアE-1選手権の中国戦は長友へのラスト通告だった

 ◇  ◇  ◇

 2022年のカタールW杯後は代表に招集されない時期が続き、2024年3月に復帰してから東アジアE-1選手権の前まで「招集された14試合で出場なし。ベンチ外が12試合」。代表復帰後、スタンドで試合を見守るのが(主な)仕事だった長友に声がかかり続けているのは、その明るい性格がチームにポジティブな雰囲気を醸成し、さらに世界で培った経験値を代表の後輩たちに還元してくれることを森保監督は期待したのだろう。

 しかし、いつも柔和な笑みを浮かべている指揮官も、不必要と判断した選手に対して冷徹な決断をスパっと下してきた。

 東アジアE-1選手権の中国戦。長友は「3DFの左CB」に起用された。これは「3DFを採用していく以上、CBとして機能しなければ、もう代表には招集しない」という森保監督のラスト通告だった。

 もちろん長友は、指揮官の非情な意図を十二分に理解していた。

 だからこそ、サイズの大きな相手選手との最初のハイボールの競り合いに集中した。経験を生かした先読みで好ポジションをとった長友は、絶妙のタイミングで飛び上がって相手選手の上に頭を出し、ヘディングの競り合いを制してボールを弾き返した。 

 試合後、長友は胸を張ってこうコメントした。

「対人で負けないとか、寄せる速さとか、あと身長は小さいけど、空中戦も勝てていたし、そういった強みをしっかり見せたいという気持ちでプレーしました」

 長友にとって、東アジアE-1選手権の中国戦はカタールW杯決勝トーナメント1回戦のクロアチア戦」以来、実に950日ぶりのピッチだった。

米国遠征メンバーに入り、SNSでは「DFの層が薄いのに<長友枠>はいらない」といった内容の批判的な書き込みも散見される。

 長友は、そういった雑音を米国でのプレーで封印できるか――。

(取材・構成=森雅史/サッカージャーナリスト)

  ◇  ◇  ◇

 当コラムを執筆した森雅史氏は、13年前の敵地・北朝鮮戦を現地で取材した唯一のフリーランス記者だ。そこで直面したのは、常識では考えられない“異様な実態”だったという。北朝鮮と言えば、「負けたら強制労働」は本当なのか。

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