15年前に“茶髪&へそピアス”で話題だった美人陸上選手は39歳、2児のママ…「誹謗中傷もあって病んだことも」
中1の長女も陸上選手。「もう一緒に走ってもかないません」
母親として奮闘する城下さん。しかしそれだけにとどまらず、一般企業で正社員として勤務しているという。
「私は大学卒業後、陸上競技を優先して就職しなかったので、職歴がないのがコンプレックス。それで、長男出産後、正社員の求人に応募し採用していただきました。大変? いえ、働くのは大好き。いろんな人をまとめ、みんなで力を合わせてがんばるのが楽しい。働くのがこんなに楽しいのなら、新卒のときにちゃんと就活すればよかったです。ないものねだりなんですけどね(笑)」
それにしても、スラリとした体形は2児のママには見えない。美貌も変わらず、茶髪もへそピアスも続行中だ。
「体重はむしろ落ちました。というのは、コロナが始まった頃にバセドー病を発症し、筋肉が落ちてしまったんです。今はすっかり良くなったので、週3日、短時間ですけどジムに通い筋トレをしています。でも、筋肉はなかなかつきませんね。走るスピードも落ちて、もう子どもたちにかなわないんですよ(笑)」
城下さんの子どもたちも、かなりの俊足のようだ。
さて、横浜市出身の城下さんは、中学1年のときに陸上を始め、すぐに頭角を現し、高校時代にハードル選手に。青山学院大時代にトップ選手となり、10年、日本陸上競技選手権大会で自己ベストの13秒25のタイムを記録。同年のアジア大会に日本代表として出場、決勝進出を決めたが、負傷で無念の棄権となった。
競技場ではオシャレな美人アスリートとしても注目が集まった。
「高校が厳しく、好きなオシャレができなかったので、大学時代に爆発したのかも(笑)。ルックスについてメディアで取り上げていただくようになると、その期待に応え、キレイでいなきゃいけない、とがんばっていたと思います。でも、雑誌のグラビアをやったのがいけなかったのか、ブログに『ブス』『チャラチャラするな』といった誹謗中傷を受けるようになり、病んじゃったこともあったんですよ」
最後に、13日に始まる世界陸上について一言。
「私の現役時代は12秒台で走る日本人選手はいなかったのに、今は何人もいる。トレーニング方法の改善やスパイクなど用具の向上が理由ではないでしょうか。世界で戦えるレベルに上がってきている日本人選手が多いので、テレビで観戦するのを楽しみにしています」
(取材・文=中野裕子)
▽城下麗奈(じょうした・れな)1986年横浜市生まれ。青山学院大卒。100メートルハードル選手として活躍。2010年のアジア大会(中国・広州市)に出場。茶髪にへそピアス、ハイレグブルマーなどでも注目された。後十字靱帯損傷のケガがもとで13年に引退。