07年日本S、落合監督とオレが完全試合継続中の山井を八回で降板させた本当の理由(上)

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 このシーズンは開幕前から、落合監督が中日としては53年ぶりとなる日本一を最大にして唯一の目標に掲げていた。選手の誰もが、それだけを目指してシーズンを戦ってきた。先発投手はとにかく「九回の岩瀬につなごう」を合言葉にし、オレも1-0の完封試合だろうがなんだろうが、「最後は岩瀬」という継投を徹底していた。

 だから、この日本シリーズだって普通なら迷わず岩瀬への継投だ。しかし、山井は普通じゃない投球を続けている。八回を終えてなお、完全試合なのだ。とはいえ、試合は1点差。一発を打たれれば同点である。完全試合をやっているということは、山井は一度もセットポジションで投げていない。1人でも走者を出せば、一気に畳みかけられる可能性がある。この試合を落とせば、3勝2敗。決戦の場は敵地に移り、中日と相手のローテーションを考えれば、逆転で日本一をさらわれる恐れもあった。

 続投か、交代か。山井に状態を確認しながら、さすがに迷って落合監督の方に目をやると、そこに監督の姿はなかった。(この項つづく)

▽もり・しげかず 1954年11月18日生まれ。千葉県出身。駒大、住友金属を経て78年のドラフト1位で西武に入団。先発から抑えに転向し、現役通算9年で57勝(62敗)、82セーブを挙げた。88年に引退。翌89年から99年まで西武の投手コーチを務め、黄金時代を築く。00年からは日本ハム、02年から横浜で投手コーチを歴任。落合監督に請われ04年から中日でバッテリーチーフコーチ、10年にヘッドコーチに昇格した。落合監督とともに11年オフ、中日を退団。プロ入り後、ユニホームを脱ぐのは初めてだった。

  ◇  ◇  ◇

「大人気連載プレイバック」の次回も、引き続き森氏による「オレ流とともに去りぬ」を公開する。

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