まさかの故障で失意の最中「お前はラッキー」…トシさんの言葉がなければ今の俺はいない
開幕戦でスタメンを勝ち取るには、トーナメントリーグでのアピールが欠かせない。10日間休んだ後は患部にブロック注射を打ち、なんとかトーナメント終盤にチームへ合流。2本塁打で首脳陣に復活をアピールできた。トシさんの言葉と、10日間の「超安静」がなければ、今の俺はいなかったかもしれない。おかげで4月5日、広島との開幕戦(広島市民球場)で、「6番・左翼」でのスタメン出場を勝ち取ることができた。トシさんには本当に感謝している。
先発は広島のエース左腕・大野豊さん。そう、俺がこの試合の2カ月後、罰金100万円を取られるきっかけになった、あの大野さんだ。
0対0で迎えた二回表、大野さんのシンカーを拾って左翼席に先制2ラン。ガッツポーズでダイヤモンドを一周した。試合は延長十三回にサヨナラ負け。サヨナラヒットを打ったのは18歳のドミニカ共和国出身選手。巨人と激しいマネーゲームを繰り広げた韓国人右腕・宣銅烈も初登板するなど、話題盛りだくさんの一戦だった。
大野さんは今でも年に1回、(プロ野球OBが集う試合イベント)「ドリームマッチ」で会うたびに「自信があった外のシンカーを打たれたのはショックだったなあ」と言われる。罰金の話題はまったく出ないが。