巨人の大補強路線にOB評論家から苦言噴出…昨オフ64億円費やすも不発、懲りずに中日・柳&マエケン狙い

公開日: 更新日:

「有望株を育て切れずにトレード」

 前田も今季は7試合登板で防御率7.88。5月にタイガースを自由契約となった。昨季も3勝7敗、同6.09。それでも巨人が大枚をはたこうとするのは、今オフ、チームの大黒柱を失う可能性が高いからでもある。主砲・岡本和真(29)のポスティングを使ったメジャー移籍を容認する方針だからだ。

 今季は試合中に左肘を負傷し、3カ月の長期離脱を余儀なくされ、阪神に15ゲーム差をつけられ、独走を許した。

 巨人の元バッテリーコーチで評論家の秦真司氏がこう言う。

「今季は岡本が不在だと、巨人はこんなに脆いのかということが露呈しただけに、今オフに移籍してしまうなら、痛いなんてものじゃありません。ただし、こうなることは数年前から噂されていた。それなのに、主砲を育成してこなかった。秋広ら有望株の候補はいても、育て切れずにトレードで出してしまい、代わりにリチャードを獲得した。右の大砲が欲しかったにせよ、リチャードはまだまだ岡本の代わりにはならない。やっぱり生え抜きの選手を育てないと、チームは長期的に安定しない。

今年2月に巨人キャンプを視察した際、阿部監督に『二軍にいる増田陸あたりは中軸候補にならない?』と聞いたら『伸び悩んでいるから二軍にいます』との返答。シーズンが始まると、一時期4番を任されるなど活躍したが、最後は出たり出なかったりで尻すぼみでした。我慢して起用しなければ4番やエースは育ちません。私は甲斐のFA補強には反対でしたが、それによって将来の正捕手候補・若手の山瀬が一軍で1試合しか出られなかったのは、大きなマイナスです。数年後を考えると、付け焼き刃的な補強は危険。惨敗した今オフこそ、本気で育成を考えないと、暗黒時代に突入しかねません。そんな危機的な状況だと思います」

 球団内には「(メジャー1年目で元エースの)菅野が帰ってきてくれれば……」なんて声も聞こえてくるほどだ。

 球団は今年、総額64億円とされる大補強を行ったが、抑えのマルティネス(4年総額約49億円)こそセーブ王になったものの、5年総額15億円でFA補強した甲斐は、右手を負傷するなど正捕手に定着できなかった。挙げ句の果てにV逸だ。にもかかわらず、今年も例年通りの「迷走補強」が始まりそうである。

  ◇  ◇  ◇

 ところで、大型補強の“失敗例”として甲斐自身も「肩身が狭い」思いをしているに違いない。金額に見合う働きをしているとは言い難い上に、自身の立場を脅かす後進が着実に育ってきているからだ。居場所が失われつつあるその苦しい現状とは、いったいどのようなものか。

●関連記事【もっと読む】…では、それらについて詳しく報じている。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  2. 2

    巨人が楽天・辰己涼介の国内FA争奪戦に参戦へ…年齢、実績的にもお買い得

  3. 3

    マエケンの「DeNA入り」が急浮上! 古巣広島まさかのNO、巨人はマー君が足かせで動けず

  4. 4

    DeNA次期監督候補に谷繁元信氏が浮上…南場智子オーナーのイチオシ、本人も願ったりかなったり

  5. 5

    ドジャースの“朗希タンパリング疑惑”で大迷惑!米29球団&日本プロ球団こぞって怒り心頭の納得理由

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希の抑え起用に太鼓判も…上原浩治氏と橋本清氏が口を揃える「不安要素」

  2. 7

    メジャー今オフにも「二刀流ルール」撤廃の可能性…ドジャース&大谷翔平に他球団のやっかみ集中

  3. 8

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  4. 9

    俺と巨人ガルベスの大乱闘の一部始終…落合博満さんのヘッドロックには気を失いかけた

  5. 10

    ドジャース大谷翔平は“自信のデカさ”も世界一! 二刀流は「自分にしかできない役割」と会見で断言

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    アッと驚く自公「連立解消」…突っぱねた高市自民も離脱する斉藤公明も勝算なしの結末

  2. 2

    クマが各地で大暴れ、旅ロケ番組がてんてこ舞い…「ポツンと一軒家」も現場はピリピリ

  3. 3

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  4. 4

    安倍元首相銃撃裁判 審理前から山上徹也被告の判決日が決まっている理由

  5. 5

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  1. 6

    マツコ・デラックスがSMAP木村拓哉と顔を合わせた千葉県立犢橋高校とは? かつて牧場だった場所に…

  2. 7

    自民党は戦々恐々…公明党「連立離脱」なら次の衆院選で93人が落選危機

  3. 8

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  4. 9

    万博協会も大阪府も元請けも「詐欺師」…パビリオン工事費未払い被害者が実名告発

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希の抑え起用に太鼓判も…上原浩治氏と橋本清氏が口を揃える「不安要素」