89歳で死去、広瀬叔功さんを悼む…世界の盗塁王・福本豊との決定的な違い

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36歳で42盗塁、衰え知らずの脚力

 福本は出塁すれば、必ず盗塁を狙う。しかも、二盗、三盗と立て続けに決めてくるから、四球や安打が三塁打になってしまう。福本を一塁に出すと、私を含めた当時の東映の投手は次打者に対して3ボールまでクイックでウエストしたほど。2番打者には四球覚悟の戦法でしたが、それでも走られた。驚異的な足ではありました。

 対して、広瀬さんはむやみやたらには走らない。試合展開を考え、ここぞという場面でスタートを切り、まずアウトにならない。チームの勝利を決定づける盗塁、というのが多かった。現役22年での盗塁成功率82.9%(通算300盗塁以上)は、長く歴代1位の記録。相手に決定的なダメージを与える場面で確実に成功させる。野球を知り尽くしていた印象が今も強くある。投手からすれば、福本以上にイヤらしい選手でした。

 私が巨人に移籍する前年の72年に42盗塁。広瀬さんはその時、36歳でしたから、衰え知らずの脚力に心底驚いたものです。ご冥福をお祈りします。

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