WBCの日本独占放送の裏にNetflixのしたたかな戦略
いわば、最も熱心に視聴するのが日本であることは、数字の面からでも明らかである。そのような日本市場を、スポーツ配信にも力を入れようとするネットフリックスが見逃すはずはない。
しかも、有料アカウントが24年6月に1000万に到達したとはいえ、契約料金は月額で広告付きの「スタンダード」が890円、広告なしの「スタンダード」が1590円、最高画質の「プレミアム」が2290円と、それぞれ7.99ドル(約1240円)、17.99ドル(約2800円)、24.99ドル(約3890円)という米国の金額に比べれば低く抑えられている。
この違いは、ケーブルテレビの普及により有料契約に抵抗感が少ない米国と、無料の地上波が中心であった日本という視聴習慣の差に基づく。
■2029年までに日本制作作品を50本
日本において最も訴求力のある番組のひとつであるWBCを活用して契約者数を増加させたり、契約価格の改定への環境づくりをしようとしたりするネットフリックスの思惑は、日本で制作する映画やドラマを29年までに50本公開するという計画が示唆する日本市場への積極的な姿勢からも当然といえる。


















