元小結・松鳳山裕也さんが引退後、ちゃんこ屋ではなく焼き肉屋を選んだワケ
松鳳山裕也さん(元小結/41歳)
新大関・安青錦の誕生で盛り上がる大相撲初場所。連日激闘が繰り広げられているが、激闘といえば、2010年代に強烈な付き押しや張り手で上位力士を追い込む取組で記憶に残るのが松鳳山さんだ。22年に引退したが、今どうしているのか。
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松鳳山さんに会ったのは千葉県船橋市、JR船橋駅から徒歩5分の「焼肉ホルモン松鳳山」だ。
「この店を始めて1年半ちょっと。店が休みの月曜以外は毎日店に出て、ホールで接客しています。ご近所さんや相撲ファン、会社の社長さんなどいろんな方が食べに来てくれて、仲良くしてもらっています。社長さんらはゴルフに誘ってくれるし、相撲ファンの方たちとは相撲の話で盛り上がって楽しい。自分はヒールのイメージの力士だったので、現役時代はそのイメージを大切にして守っていたから、『怖くて気軽に話しかけられなかった』とよく言われます(笑)」
松鳳山さん、ニコニコ笑顔でまずはこう言った。素顔は気さくで、おしゃべり好きなようだ。
店はコンクリート打ちっぱなしの造りで、全36席。コースは6600~1万1000円の3コースがあり、こだわりのA5ランクの黒毛和牛や宮崎産黒毛和牛ホルモンなどを提供する。現役引退後、焼き肉店で修業し、肉の卸売業者と業務提携して開店したという。
「子どもの頃から“会社の社長=お金持ち”のイメージが強く、実業家に憧れていました。食べることが好きなので、現役時代からいつか店をやりたいと思っていました。ちゃんこ屋だとありきたりだし、暑い時季に鍋はあまり食べない。焼き肉は自分も好きだし、お客さんに年中通ってもらえると思いました。経営は、まぁボチボチです」
親方になって協会に残る道は、考えなかったのだろうか。
「はい、自分は親方は向いていないと思ったので。だって、親方になって力士を目指す子をあずかって育てる、って大変ですよ。その子の人生をあずかるわけですから。その責任は、自分には重すぎる。今、この店ではアルバイトを10人近く雇っていますが、それとはワケが違います」


















