元小結・松鳳山裕也さんが引退後、ちゃんこ屋ではなく焼き肉屋を選んだワケ

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お客さんも驚くコワモテ現役時代と違う素顔

 とはいえ大相撲には今も関わる。現役引退直後から、ABEMAで解説をしているのだ。

「年3回──大阪、名古屋、九州場所の解説をしています。いや、解説は難しい。現役時代は自分が対戦する目で見ていて、今は第三者目線ですが、取組につい見入っちゃう瞬間があって、言葉を忘れてしまうんです」

 解説をしない場所は、自宅でテレビ観戦しているという。

「幕内に入った16時頃から観ています。みんながケガなく、がんばって取り終えてほしいという気持ちと、力士の実力が拮抗していて面白いなと。安青錦はいい相撲をとっていますね。気になるのは付け人をやってくれた一山本と、41歳で現役を続ける玉鷲関ですね。自分も38歳まで現役でしたが、最後はトレーニングをしても体のハリがつかなくなり、力が出なくなりました。その点、幕内702勝で歴代10位なんて、玉鷲関は体の中身が若い人と入れ替わっているんじゃないかと思うくらい信じられない成績ですね」

 さて、松鳳山さんは幼い頃から体が大きく、小学生のときから相撲大会に出場。大分県立宇佐産業科学高校、駒沢大学と相撲部で活躍し、松ケ根部屋へ。06年3月場所で初土俵を踏み、コワモテで激しく相手にぶつかり故障させることもあったことから、“壊し屋”などとも呼ばれた。最高位は東小結。殊勲賞1回、敢闘賞3回。

「現役時代の取組を振り返ると、相手に当たった瞬間、バチッと集中力にスイッチが入り、頭の中はスローモーションになっていたように感じます。『あ、投げにきたな』『チャンスだ』とか、いろいろ考えながら取っていました。そうでなければ、上位には上がれませんよ」

 30歳のときに結婚。小学校6年生と3年生の2人の息子も相撲教室に通っているという。

「でも、将来はぜひ関取にとは思っていません。運もあるし厳しい世界なので、自由に好きな道をいってほしいですね」

▽松鳳山裕也(しょうほうざん・ゆうや) 1984年2月9日、福岡県生まれ。本名:松谷裕也。駒澤大学4年の時にに松ヶ根部屋入門。2006年3月場所で初土俵を踏み、10年に新十両。38歳まで現役を続け、22年引退。最高位は東小結。殊勲賞1回、敢闘賞3回。

 (取材・文=中野裕子)

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