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森本潔元プロ野球選手

1942年、愛媛県出身。立教大を中退し、三協精機を経て63年に阪急ブレーブスに入団。5番打者として長く活躍し、オールスターにも選ばれた67年は球団史上初のリーグ優勝に貢献。巨人との日本シリーズでは首位打者に輝き、ベストナインも受賞した。77年から中日に移籍し、79年に引退。引退後は評論家活動や、会社経営などを行った。通算1450試合、1122安打、146本塁打、572打点、打率.248。

「八方破れや!」西本監督が意気込み日本Sを先勝するも、翌日の雨天中止が流れを変えた

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「毎年、シリーズでは巨人に赤子の手を捻るが如くやられていた」

 森本が言うように、V9時代の巨人は、日本シリーズでは一度も王手をかけられることなく、横綱相撲で勝ち続けた。苦い思い出は翌年以降も続く。

 翌69年、阪急は三原脩監督率いる近鉄バファローズと優勝を争う。最終戦まで残り4試合、近鉄が先に2勝挙げれば近鉄の初優勝、阪急は2勝1分けで優勝と、やや近鉄有利な条件での直接対決4連戦を迎えた。初戦、西宮球場でのダブルヘッダー第1戦、延長11回の裏に投手・宮本幸信のサヨナラホームランで先勝。勢いに乗る阪急は第2試合にも連勝し、舞台を藤井寺球場に移した3戦目も勝ち、リーグ3連覇を決めた。

 日本シリーズは3年連続で巨人と対戦。この年、西本幸雄監督は試合前、マスコミを通じて意図的に「今年は阪急が有利」と、下馬評を流した。選手たちの巨人コンプレックスを払拭するための戦略だった。

 そしてシリーズのローテーションの柱に入団2年目の宮本を起用する。シーズン後半戦に7勝を挙げ、終盤の近鉄との最終決戦には値千金のサヨナラホームランを打ったラッキーボーイ。前年度のシリーズにはリリーフで3試合に登板し、3イニングをノーヒットに抑えている。荒れ球だが威力ある速球を投げる秘密兵器に西本はシリーズの命運を託した。

(中村素至/ノンフィクションライター)

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