「八方破れや!」西本監督が意気込み日本Sを先勝するも、翌日の雨天中止が流れを変えた
速球に強い矢野は翌69年も25本塁打をマークしたが、70年に故障が原因で不振に陥ると、30歳の若さで引退した。
68年は阪急と南海ホークスが最後まで優勝を争い、10月11日の最終戦を同率首位で迎えた。両チーム勝敗の結果では史上初のプレーオフの可能性もあったが、西宮球場での東京オリオンズ戦、矢野が成田文男からサヨナラホームラン。その直後に日生球場で南海が近鉄バファローズに敗れ、劇的な日本シリーズ進出が決まった。翌日の昼からは後楽園球場で巨人とのシリーズが始まる。現在のポストシーズンでは考えられない強行日程だ。
祝勝会やビールかけもなく、夜9時半の飛行機便で伊丹空港から移動。選手たちは空港で若手漫才師の横山やすし・西川きよしと遭遇し、「東京で勝ってきてください!」と声をかけられた。
12日の初戦、「こうなったら八方破れや」と西本幸雄監督の言葉通り、リーグ優勝の勢いに乗って先勝。ところが、翌日は雨で中止になり、これがシリーズの流れを変えた。気勢を削がれ、ペナントレース終盤の激戦の疲れが出たのか以降3連敗。前年のシリーズで活躍した森本も足立光宏も精彩を欠き、結局、この年も2勝4敗で巨人に敗れた。


















