著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

トランプ大統領はベネズエラを「州に昇格!」と発言 WBC決勝はかつてなく政治的な意味を帯びていた

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 また、これらのよいことは全て自らの決断の成果であり、WBCはベネズエラ侵攻を正当化する証拠というのが、トランプの立場だ。

 一方、ベネズエラの暫定大統領であるデルシー・ロドリゲスは「ベネズエラが団結し、勝利した」とWBCの勝利を称え、野党指導者のマリア・マチャドも「ベネズエラ人であることに誇りを感じる」と述べている。

 マドゥロの拘束直後は米国を批判したものの、直後に対米協調の方針を打ち出したのがロドリゲスである。また、2025年に受賞したノーベル平和賞のメダルを譲り、トランプの歓心を買おうとしたのは、マチャドだった。

 米国に対する友好的な態度を示すためにも、ベネズエラが誇るべき状態になったことを強調するためにも、WBCでの優勝は象徴的な出来事である。

 ロドリゲスもマチャドも、一国の元首を武力で拘束した米国に言及しなかったことで現状を追認しており、トランプが望む通りの対応をした形になる。

 ただし、ベネズエラの人々は両国による決勝戦を因縁の対決と捉えている。

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