1969年日本シリーズ第4戦、退場劇後に宮本幸信が大崩れした「本当の理由」
問題の土井の本塁突入は、長嶋の打席、フルカウントから王貞治の二盗がきっかけとなったダブルスチールだった。
「昔、テレビ番組で特集があったとき、岡村さんから電話があったよ。『まさかあの場面で王が走ってくるとは思わなかった』ってね」と、宮本は語る。王の盗塁を見てとっさにホームスチールを敢行した土井だが、生前出演したテレビの特集番組で「試合は3点リードされまだ4回。あの状況で走ったのは自分の判断ミスで暴走に近かった」という意味の発言を遺している。
「巨人ではちょうど前日のミーティングで『岡村はブロックが巧いから気をつけろ』と注意されていたらしい。あれは凄く危険なスライディングなんだよ。ああいう足の入り方をすれば骨が折れてしまう」と、宮本は振り返る。土井はベースを踏んだ瞬間に後ろへ飛び退いた。小兵の土井ならではのプレーである。タイミングはどう見てもアウトだったため、岡村退場後も激しく抗議する西本監督。試合は中断され、かなりの時間が経過していた。岡村に替わり捕手は若手の中沢伸二。
そして魔の一瞬が訪れる。試合再開後の第一球を投じた宮本の肩に激痛が走ったのだ。「試合中断の間、中継のアナウンサーが『宮本はキャッチボールもしなくて大丈夫なのですかね?』と言っていたってね。でもみんな興奮していて監督もコーチも気づかない。アナウンサーの方がよっぽど冷静や(笑)」


















