巨人・川上哲治監督が「阪急を勝たせてはいけない」と憤慨した、球審への報復行為
これを見た巨人・川上哲治監督は、「岡村君の行為はわからないでもないが、審判に球を当てる行為を見て、阪急にチャンピオンフラッグを渡すことはできないと思った」と語った。
実は、川上監督が阪急ベンチへ苦言を呈したのはこれが初めてではない。この年以前の阪急とのシリーズでの対戦で、ある阪急の外野手が打球を後逸した後、半ば諦めたように球を追った。これを見た川上はベンチで「あんなチームに負けてはいかん」と、選手たちに言ったという。野村克也は生前の自著で、「川上さんと違って、西本さんは選手たちの人間教育をしなかった」と繰り返し指摘しているが、そんな側面もあったことは否めない。後にこの連載でも触れることになる、73年に起きた森本の造反事件も、幾分その辺りに遠因があったのかもしれない。
阪急は3年連続2勝4敗でシリーズに敗退した。しかも後味の悪い負け方で、ダメージは大きかった。
捕手の暴挙がクローズアップされた69年のシリーズだが、この年のレギュラーシーズンに森本は1試合、捕手を務めている。7月30日、西宮球場でのロッテオリオンズ戦。この試合、正捕手の岡村が右肩故障で欠場しており、先発捕手は中沢伸二。二番手・岡田幸喜、3番手・住吉重信には次々と代打が送られ、2対2で延長戦に入り、ベンチ入りの捕手が払底してしまった。


















