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菅谷齊東京プロ野球記者OBクラブ会長

1943年、東京都生まれ。共同通信社でV9時代の巨人をはじめ、阪神などを担当。1970年代からメジャーリーグも取材した。野球殿堂選考代表幹事を務めたほか、三井ゴールデングラブ賞設立に尽力。現在は東京プロ野球記者OBクラブ会長。

伝説の“背面投げ”はスポーツ紙の1面を席巻 ギャンブラー小川健太郎による一世一代の一発勝負

公開日: 更新日:

 小川の人生はまさに波乱だった。54年に福岡の明善高からテスト生として東映入りしたが、2年足らずで解雇。社会人野球に拾われて素質が開花し、都市対抗の好投が買われて64年に中日入団。その間、一般企業に就職したこともあった。再びのプロ入りは30歳で3人の子持ち。「ノンプロの給料じゃ家族を養えないから」と人生を懸けた。

 アンダースローからの多彩な変化球と度胸の良さで67年に29勝を挙げ、最多勝にベストナインと沢村賞。王へのくだんの一球は2度目の20勝をマークした年である。出戻りながら球界を代表する高給取りとなったのだが、身を破滅する道に入り込んだ。小川と親しかった人物に聞いたことがある。「競馬なんかすごい金額を使う。家族は苦労したと思う」と。

 62年の都市対抗で投げ合った相手投手もプロ入りしたのだが、小川ともども黒い霧事件に絡んでいたことからプロ球界を追われた。95年に61歳で死去。

 背面投げは、ギャンブラー小川の一世一代、一発勝負の一球だった。

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