広島4番栗原に敵将・落合監督は「四球でいい」と助言を…
私が広島の打撃統括コーチ(2008~10年)を務めていた頃、試合前に不振で悩んでいた4番の栗原を連れて中日の監督だったオチ(落合博満)に相談したことがある。
「相手から見て(栗原は)どんなふうに感じる?」
すると、オチはこう言った。
「4番だからって(走者を)全部かえそうとしているよ。内田さんねえ、打者ってそんなに打てないから、四球は四球で選べばいいんですよ。次の5番につなぐ、チャンスを回せばいいのに、全部の球を追っ掛けて打とうとしている」
打撃フォームのことは言わなかった。「ボール球は打たない。失投を打つ。いかにワンスイングで仕留めるか」ということだった。全部打たなくていい。そう考えれば、余裕も出る。栗原は「気が楽になった」と感謝していた。