日本シリーズは選手も球団もホクホク…年俸アップを恐れた時代から変わった“儲けの仕組み”
日本一で「暖冬更改」といっても、全員の年俸が一斉に跳ね上がるわけではありません。査定の基本は年間の働きで、複数年契約中の選手もいます。大型補強を別にすれば、日本Sの利益でチームの昇給分を賄うことも十分可能でしょう。
球団が期待する経済効果は、目先の収入だけではありません。重要なのはシーズンシート、つまり年間予約席の営業です。日本Sは入手困難なプレミアムチケットですが、年間席契約者には優先購入の機会があります。この優先販売枠は翌年の年間席購入者にも適用されるため、「来年も年間席を買えば、今年の日本Sのチケットが手に入る」という強力な営業材料になるのです。
球団の年間席は数千席から、多いところでは1万席以上。顧客の中心は法人です。年間指定席は単なるチケットのまとめ売りではなく、優先購入や接待向けのサービスを組み合わせた商品です。球団はまとまった売り上げを先に確保でき、極めて安定した収入源となります。
日本Sへの出場は、翌年の年間席販売を後押しする絶好の営業機会でもあるのです。
選手にも、もちろんニンジンはあります。多くの球団ではポストシーズンの成績を通常の2倍程度で査定し、出場試合数や投球回も出来高に算入します。私がホークスで編成の責任者だったときは、CSと日本Sの査定ポイントを通常の2倍、リーグ優勝して臨む場合は2.5倍にしました。ヒット1本が2.5本分の評価です。日本一への貢献には査定ポイントの割り増しや分配金など、勝つほど懐が温まる仕組みが用意されています。


















