「ニッポンのトイレほか」マリトモ著
■自己主張する面白トイレが大集合
トイレをこよなく愛し、珍しいトイレがあると聞けばどこへでも駆け付け、腰かけてみたという著者が、この10年の間に訪ねた78カ所から、特にインパクトの強かった自己主張型トイレの数々を紹介する面白写真集。
京都・東福寺の「百雪隠」は日本最古のトイレ。100人が一度に用を足せる東司(トイレ)だが、重要文化財であるため、使用は出来ない。
土間に掘った穴に瓶が埋められているだけの東福寺のこの簡素なトイレの対極にあるのが、新宿・歌舞伎町の「ロボットレストラン」のトイレだ。総工費100億円といわれる同レストランのトイレは、世界中を探して選んだ虹色に輝くタイルと金ぴかの便器のコンビで、トイレ内が黄金の茶室のように輝いている。
その他、日本初の総合結婚式場「目黒雅叙園」の花嫁専用や、トイレに長居してもらいたいというオーナーの意向で7つのトイレすべてが庭園仕様になっている福井県の日本食レストラン「レスト有情」、全面ガラス張りでその外側を回遊する魚たちに見られながら用を足す水族館のような兵庫県のカフェ「ムーミンパパ」、同じくガラスボックス型で塀に囲まれた200平方メートルもの敷地の草花が楽しめる開放的な千葉県飯給駅のトイレなど、どれもお目にかかったことがない珍奇な趣向のトイレばかり。