• facebook  
  • twitter  
  • Facebook Messenger

「イスラーム国の衝撃」池内恵著

 いま最も注目株の中東地域研究者によるタイムリーな概説。2011年の「アラブの春」がもたらしたのは中東各国の統治体制の揺らぎと弱体化。そこに乗じて台頭したのがイスラム国だ。指導者のアル・バグダディは「カリフ」(最高指導者)を名乗る。これは全世界のイスラム教徒(ムスリム)の指導者を主張したことと同じ。各国のイスラム学者(ウラマー)はこれを認めないが、バグダディは独自の学識とカリスマで相当な説得力を発揮していると著者はいう。

 米国に追い詰められたアルカイダがアフガン・パキスタン国境を拠点に勢力を回復し、まるでフランチャイズ網のように自発的な賛同のネットワークが出現するなどの新状況が生じたことが、背景にある。アルカイダと違ってシリアとイラクで領域支配に成功したイスラム国は、いわばアルカイダの「別ブランド」化のように登場したのだ。

 さらに欧米諸国ではアルカイダやイスラム国に刺激された若者たちが「勝手にアルカイダ」的に単独テロを起こす事件が続発。こうして一匹オオカミ的なテロをも含む「グローバル・ジハード」に至ったのだと説く。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    脇雅史氏が自民批判「政党さえ勝てばいいでは国が終わる」

  2. 2

    ブレーク時は最高月収500万円 “即興なぞかけ”ねづっちは今

  3. 3

    捕手難にあえぐ巨人…育成継続かFA西武炭谷獲りに動くのか

  4. 4

    ボロアパートの横に諸星和己が…竹原慎二さんのド貧乏時代

  5. 5

    人権の意味をわからず 「LGBT支援は必要ない」という暴論

  6. 6

    内閣支持率が軒並み急落 驕れる安倍政権に国民の怒り爆発

  7. 7

    中居正広“ジャニーズ残留”決定か…ウラに野望とカネと打算

  8. 8

    18番で痛恨OB 松山英樹“1打足りず予選落ち”は当然の結果か

  9. 9

    広島追撃にキーマン不在…巨人・坂本は長期離脱の可能性も

  10. 10

    冠番組が2ケタ視聴率…出川哲朗に叶姉妹との意外な共通点

もっと見る