「ボブ・マーリー よみがえるレゲエ・レジェンド」菅原光博、藤田正著

公開日: 更新日:

 シンガーを夢見ながらも14歳で溶接工として働き始めるが、焼けた金属片が右目に飛び込むという仕事場での事故をきっかけに、プロミュージシャンになる決意を固める。

 そんな彼が生み出した歌を菅原氏は「貧困を必死に生きる時に流した悲しみや苦しみの涙、血の一滴一滴から生まれたものだ」と語る。

「人が生きていく中でぶつかる困難を、真に生き抜く勇気と知恵を与えてくれる本物の音楽だ。人の生き方という大切なことを教えてくれる」。だからこそ、彼の歌は「聴いた人の魂の奥深くに永く生き続けるだろう」と。

 きっと、その音楽に触れたことがない人も、全身を使って熱唱するステージの彼の写真から、ほとばしるメッセージを感じ、聴いてみたくなることだろう。

 ベスト盤「レジェンド」が死後30年以上たった今も年間25万枚も売れ続けているというのもうなずける。

 没後15年目に、彼の妻だったリタや子供たち、そして母親によるボブ・マーリー・ファミリーが総出演したニューヨークでのコンサートをはじめ、ジャマイカの生家やスタジオ、墓など縁の地を撮影した写真も網羅。ファンにとっては至極の宝物になるに違いない。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?